11日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、11月米消費者態度指数(ミシガン大調べ)速報値が54.7と予想の59.5を下回ったことなどで138.47円まで続落した。ユーロドルは1.0364ドルまで続伸した。ユーロ円は、欧州序盤に142.57円の安値を付けた後、NY市場では143円台半ばでのもみ合いに終始した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、イエレン米財務長官のドル高、金融政策正常化への懸念表明を受けて下値への警戒感が残った展開となるか。
13日、イエレン米財務長官は、「われわれの政策はその影響が他国に波及するものであり、ドルがこれほど強い環境において当然ながら、多くの国が米国の政策が自国通貨に波及する影響を懸念している」と述べた。イエレン米財務長官は、これまで、米連邦準備理事会(FRB)のインフレ抑制に向けた金融政策正常化やドル高を支持するスタンスを示していたことで、今回の発言による影響に要注目となる。
先週発表された米国10月の消費者物価指数(CPI)が9月の前年比+8.2%から+7.7%へ伸び率が鈍化。10月の雇用統計での平均時給も9月の前年比+5.0%から+4.7%へ伸び率が鈍化していたことで、12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げ幅が0.50%に留まる確率が上昇している。
シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、12月のFOMCでの0.50%利上げ確率は83.0%、0.75%利上げが17.0%となっている。
10月にワシントンで開催された主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議では、「物価を安定させ、他国への影響を回避するため、金融引き締めペースを適切に調整することで一致した」との文書が公表された。国際通貨基金、世界銀行、国際連合からも、各国の金融引き締めへの警戒感が示されていた。最近の各国中央銀行の金融政策決定会合では、インフレ抑制のための金融政策の正常化を継続しつつ、利上げの最終局面の可能性を示唆していることで、G20による国際的な利上げペース鈍化が目論まれているのかもしれない。
今週は17日に日本の10月の貿易赤字が発表されるが、1-9月の貿易赤字は14兆3081億円。9月と10月の円買い介入の金額は、合計9兆1881億円となっている。本邦通貨当局の介入スタンスは、実需の円買いや円売りを相殺してきているため、現状の円買い介入は、今年全体の貿易赤字、約20兆円規模を相殺する可能性があるため、今後も「24時間、365日体制」での円買い介入の可能性には警戒しておきたい。
また、明日のインドネシアで開催される20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)を控え、本日は米中首脳会談が設定される模様。米中双方が譲ることのできない「レッドライン」を確認するのではないか、と報じられている。台湾を巡る地政学リスクが高まる可能性にも警戒しておきたい。
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