9月の米求人件数は市場予想に反して増加。失業率が低水準にとどまる中、一段の賃金上昇につながる公算が大きい。米金融当局にとっては、インフレ抑制に向けた積極的な引き締め策を継続するよう求める圧力が強まった格好だ。
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求人件数の予想外の増加は、経済への向かい風が強まる中でも労働者に対する需要が弱まっていないことを示した。労働需給の不均衡はなかなか解消せず、それが賃金の力強い伸びを引き続き支えている。物価上昇圧力が広範囲に高まるとともに、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合でも大幅な追加利上げが行われるとの見方も強まった。
インディード・ハイヤリング・ラボの経済調査責任者ニック・バンカー氏は、速報段階で1年2カ月ぶりの低水準となった 8月の米求人件数には「驚きがあった」とした上で、「9月のデータはなじみのある内容に戻った。労働者への需要は依然として力強い」とリポートで指摘。「今回の統計のあらゆる主要な指標は、労働市場の堅調さを示している」と分析した。
業種別で9月に求人件数が特に増えたのは、宿泊とフードサービス、ヘルスケア、運輸・倉庫・公益。
失業者1人に対する求人件数は約1.9件と、前月の約1.7件から増加した。米金融当局は金融政策を判断する上で、この数字に注目している。
ブルームバーグ・エコノミクスのエコノミスト、イライザ・ウィンガー氏は「景気の勢いが鈍化している明確な兆しがあるのに、9月の求人件数は減少しなかった。労働市場の過熱抑制を目指している米金融当局にとって、情勢は複雑になった」と述べた。
離職者数は約410万人で、前月から若干減少。全雇用者に占める自発的離職者の割合である離職率は2.7%で、前月と同じだった。
米労働省雇用動態調査(JOLTS)の詳細は統計表をご覧ください。
原題: US Job Openings Post Surprise Increase, Keeping Pressure on Fed(抜粋)、US Job Openings Unexpectedly Rose to 10.7 Million in September(抜粋)
(キーポイントに前月比の増加分、第4、7段落に識者の見方を追加して更新します)
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