電子部品大手8社の令和5年9月中間連結決算は、ニデック(旧日本電産)を除く7社が減益となった。為替の円安はプラスに働いたが、スマートフォンやパソコンの需要低迷と中国経済の減速が大きなマイナス要因となった。6年3月期の業績予想は4社が最終利益を下方修正しており、厳しい情勢が継続するとみられる。
京セラはスマホや情報通信インフラ関連の需要低迷に加え、世界的なインフレによるコスト増が影響し、最終利益は前年同期比25・3%減となった。谷本秀夫社長は「半導体関連や情報通信市場で需要の回復が遅れている」と述べ、売上高、最終利益ともに通期予想を下方修正した。
中国経済の停滞は各社の業績に打撃を与えたが、中でもオムロンへの影響は大きく、最終利益は78・2%減という大幅な落ち込みとなった。半導体などの領域で大手顧客企業の投資が延期されたことで、主力の制御機器事業の中国国内での売り上げが大きく減少した。
TDKはハードディスク市場の停滞や産業機器、車載市場の回復の遅れによって減益。ロームや日東電工もパソコンなどの需要低迷により業績は振るわなかった。
ニデックは中間決算で売上高、最終利益ともに過去最高となった。しかし、電気自動車(EV)向けのモーターシステム「イーアクスル」は今期黒字化の目標を撤回。EVの価格競争によって中国での利益が圧迫されており、永守重信会長兼最高経営責任者(CEO)は「(製品の)価値を認めてもらえない競争はやるべきではない」と述べ、イーアクスルの中国一極集中から脱却する方針を示した。
村田製作所は通期予想について、パソコン市場の回復の遅れなどで売上高を下方修正した一方、円安とコスト削減で利益が押し上げられ、最終利益は上方修正した。(桑島浩任)
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