米物流大手フェデックスが景況悪化を理由に通期の利益見通しを撤回したことで、市場では、他の業種や企業でも同様の動きが出ることへの警戒感が強まっている。
フェデックス株が急落、1980年以来の大幅安-通期予想撤回で (1)
「フェデックスの警告は平手打ちだった」と、スイスクオートのシニアアナリスト、イペック・オズカルデスカヤ氏は指摘。「これはまさに、今後数四半期にわれわれが目にするであろう一連の警告の一発目だ」と語った。フェデックスの暗い見通しは競合のユナイテッド・パーセル・サービス( UPS)、電子商取引大手 アマゾン・ドット・コムのほか、欧州配送企業の株価にも打撃を与えている。
一部のストラテジストは、フェデックスが警告を発する前にすでに企業の業績見通しに慎重な姿勢を示していた。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のマイケル・ハートネット氏は16日、企業利益の後退で米株は 新安値を更新する可能性が高いと指摘。ビンキー・チャダ氏らドイツ銀行のストラテジストは7日付のリポートで、企業利益は落ち込む方向にあり、S&P500種株価指数には一段の大幅下落のリスクがあるとしていた。
マクロ経済要因が業績に影響を与えると警告しているのはフェデックスだけではない。米ゼネラル・エレクトリック(GE)の最高財務責任者(CFO)は15日、サプライチェーン問題が7-9月(第3四半期)の財務面の業績を圧迫しており、「利益に悪影響が出ている」と 説明。ウォール街の大手金融機関の一部は、今四半期の投資銀行収入の大幅減少を 予測している。
企業が無数の逆風に直面している状況を踏まえ、一部のストラテジストは決算発表シーズンに向けて地域でのエクスポージャーを細かく選別するよう推奨している。
ステート・ストリート・グローバル・マーケッツのマルチアセット担当シニアストラテジスト、マリヤ・ベイトメーン氏は「フェデックスの業績低迷はアジアと欧州が中心で、実際に両地域では非常に大きな経済的課題があるが、米国の経済活動はそれなりに堅調だ」と指摘。「これは、現在のマクロ環境に対する当社の広範な評価と一致する。実際、米国は当社が選好する市場だ」と述べた。
原題:
Brace for More Profit Warnings as FedEx Flags Slowing Economy(抜粋)
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