ＥＶ部品など強化 愛知製鋼の長期経営計画 - 中日新聞

　愛知製鋼は四日、二〇三〇年に向けた長期経営計画を発表した。磁石など新領域の事業分野やステンレス事業を強化するほか、トヨタ生産方式（ＴＰＳ）を軸にした収益力の向上で、自動車業界の変革を生き抜く考えを示した。

　限りある資源で効率良く経営する「限量経営」を引き続き実施し、「ＴＰＳを中心とした筋肉質な経営」を目指すとともに、電気自動車（ＥＶ）や燃料電池車（ＦＣＶ）、自動運転の普及など、環境変化に応じた製品開発を行う。

　オンラインで会見した藤岡高広社長は「社会課題を解決しながら収益力向上に取り組み、年輪的な成長をしていくことが非常に重要」と話した。三〇年度の連結売上高は、一九年度の四割増の三千四百億円を目指す。

　強化するステンレス事業では、ＦＣＶに水素を供給する装置の部品など水素市場の取り込みや、橋梁（きょうりょう）などインフラの補修部材に注力。磁石やＥＶ用電子部品などを手掛ける新領域事業では、磁気マーカーを用いた自動運転支援システムの来年度中の事業化を図る。鍛造品事業でも、ＥＶ向けに軽くて強いギアやシャフトなどの新商品の開発に取り組む。
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