生成AIがさらなる進化を遂げる中、電子部品業界にも追い風が吹いている。特集『高配当・半導体・生成AI超進化!5年後の業界地図』(全19回)の#8では、そうした環境下で、主要8社の「稼ぐ力」を分析。新時代の勝者を探ると、「高年収・高配当」で伸びしろも十分な、意外な存在が浮かび上がってきた。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
在庫サイクル一巡で
「大波」到来へ?
「在庫の循環的な調整がようやく終わりに近づいている」――。大和証券の佐渡拓実チーフアナリストは、電子部品業界の現状をこのように分析する。
佐渡氏は世界中を賑わせるAIが一過性のブームではなく、技術革新などに起因し約50年単位で訪れる波の大きな景気循環「コンドラチェフサイクル」をもたらし得る存在ではないかと指摘する。
実は、最近の動きを振り返ると、電子部品セクターの株価は、市場全体の動きを示すTOPIX(東証株価指数)に比べて振るわない状況が続いていた。
新型コロナウイルスの感染拡大前は、DX(デジタルトランスフォーメーション)や脱炭素が市場の注目テーマとなり、先行きへの期待から電子部品銘柄の株高を促した。
一方、コロナ禍によりサプライチェーン(供給網)が混乱し、徐々に在庫が増加。需給バランスが崩れた結果、積み上がった在庫の調整に時間を要していたのだが、ここにきて明らかに回復の兆候が見られるという。
そんな環境変化を受け、佐渡氏はこの先、電子部品業界の株価の反発に期待が持てるようになってきたと見通す。
さらに、このところ、一挙に世界をにぎわせているのがAIに他ならない。佐渡氏はAIは一過性のブームではなく、技術革新などに起因し、約50年単位で波が訪れる大きな景気循環「コンドラチェフサイクル」をもたらし得る存在ではないかと指摘する。
村田製作所、ニデック、TDK……グローバルに高シェアの製品群を抱える優良株がひしめく日本の電子部品業界だが、この先はAI需要に追いすがれるかどうかや、各社の「稼ぐ力」いかんで業績や株価の二極化が進むのは必至だ。
では、どの企業が乱世の新時代を勝ち抜けるのか。
次ページでは、「稼ぐ力」の実力を示す事業資産利益率のデータを基に、各社の収益力を比較した。すると、一般的な知名度は劣るものの、先の指標が業界内で頭一つ高く、最も「高年収・高配当」の意外な勝ち組が浮かび上がってきた。
併せて、収益力などの面から相対的に厳しい立場に追い込まれている企業も明らかにする。
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