トヨタ自動車グループの主要部品メーカー7社が27日発表した2024年3月期連結業績予想は、全社が営業増益を見込む。またデンソーと豊田合成を除く5社は、売上高で過去最高を予想する。トヨタ自動車をはじめ車両生産拡大に伴う販売増のほか、原材料費の価格転嫁が進む。半導体不足やコスト増の影響は残るが、事業の合理化や電動化領域の強化などで、稼ぐ力を高める。
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デンソーは営業・当期利益で過去最高を見込む。電動化や自動運転関連の製品拡販のほか、生産ラインの自動化など生産変動への対応力強化が寄与する。売上高は減収予想だが「かなり保守的に見て10%程度の車両減産リスクを織り込んだ」(松井靖経営役員)と、上振れ余地を示唆する。トヨタ紡織も「顧客の計画から10%ほど堅めに見ている」(白柳正義社長)という。
アイシンは電動化製品の拡販を見込む。吉田守孝社長は「駆動ユニットだけでなく回生ブレーキなど、車全体で電気自動車(EV)化を進める」とし「23年以降のV字回復を目指す」と力を込める。豊田自動織機は売上高、営業利益、当期利益で最高の予想。車両生産や自動車用コンプレッサー、産業車両などの販売が増える。
ジェイテクト、愛知製鋼は原価改善効果などを織り込む。豊田合成は主に為替の円高前提で減収予想だが、合理化などで増益確保を目指す。
鋼材やアルミニウムなど材料価格上昇は落ち着きつつあるが、エネルギー費高騰など影響は続く見通し。23年3月期に1500億円の影響額を計上したデンソーの松井経営役員は「ピークは越えたが24年3月期も1000億円程度の影響はある」と見る。
同日発表した23年3月期連結決算は、全社が売上高で過去最高を更新した。豊田織機はフォークリフト用エンジンの排ガス試験不正に関わる仕入れ先補償などの費用として207億円を計上。アイシンは構造改革費などが利益を圧迫した。
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