電子情報技術産業協会(JEITA)がまとめた日本メーカーによる2月の電子部品世界出荷額は、前年同月比9%増の3522億円で、4カ月ぶりに前年同月実績を上回った。最大市場の中国向け出荷が前年比プラスに転じたことが押し上げ要因となった。中華系スマートフォン向けは依然低調だが、電気自動車(EV)など車向けの需要の伸びが補ったとみられる。
品種別に見ると、スマホなどの中で電気を一時的に蓄えたり放出したりして回路のノイズを除去し、電圧を安定させるコンデンサーは同6%増の1206億円で、4カ月ぶりのプラスとなった。コンデンサーと組み合わせて電流の波をなだらかにするインダクターも同25%増の269億円だった。
出荷額の3割超を占め、地域別では最大の中国向けが好転したことが大きい。中国向けは同18%増の1253億円と、2022年10月以来となる前年同月比プラスとなった。
背景にはEV向け需要の伸長がある。中国では国内外のメーカーが新型EVを相次ぎ投入し、EV市場が成長している。高電圧や大電流に対応した積層セラミックコンデンサー(MLCC)や、バッテリーからの電気を安定させるフィルムコンデンサーなどの需要が増え、これらの製品に強みを持つ日本の電子部品メーカーの出荷額を押し上げているもようだ。
中華系スマホの需要は盛り上がらず、関連する電子部品の需要も伸び悩んだものの、EV向けの増加が吸収した形だ。
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