日々報じられるニュースの陰で暗躍している諜報機関──彼らの動きを知ることで、世界情勢を多角的に捉えることができるだろう。国際情勢とインテリジェンスに詳しい山田敏弘氏が旬のニュースを読み解く本連載。今回取り上げるのは、いまイギリスで物議を醸している中国スパイによる工作について。
中国スパイはどこにでもいる
欧米諸国の対中感情の悪化に伴って、ここ最近は中国スパイ関連のニュースもよく目にするようになった。
たとえば、中国は世界各地に「海外110」と呼ばれる「派出所」を設置していることも判明している。現地に暮らす中国人を監視・捜査し、必要に応じてスパイ活動にも協力させていることが報告された。
さらに2022年9月には、中国の情報機関である国家安全部(MSS)のスパイが、イーロン・マスクが買収した米ツイッターで給料をもらいながら働いていたことをFBI(米連邦捜査局)が突き止めた。同社に警告していたことが暴露されている。
また2022年12月には、スイスのいくつかの大学が同国の情報当局との関係強化を行い、中国との学術的な協力に警戒心を強めていると報じられたばかりだ。
そしてまた新たな疑惑がイギリスから噴出し、話題になっている。
このように、中国のスパイ活動は多岐にわたる。これまでの例を見ると、国家機密から企業の知的財産、学術研究などを狙ってくることがわかるだろう。
中国製の車の部品から出てきたものは…
そしてまた新たな疑惑がイギリスから噴出し、話題になっている。
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PROFILE
山田敏弘
ジャーナリスト、ノンフィクション作家。米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト研究員として国際情勢の研究・取材活動に従事。訳書、著書多数。スパイの動向を動画で解説する「SPYチャンネル」も配信中。プロフィール詳細はこちら。
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