4日のグローバル市場で各国の債券相場が上昇した。イングランド銀行(英中央銀行)が予想に反して政策金利を据え置いたことを受け、世界各国・地域の金融政策見通しを修正する動きがトレーダーの間で広がった。
米国債市場では5年債利回りが一時10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、1.088%と10月15日以来の水準まで下げた。ドイツ2年国債利回りは9月1日以来約2カ月ぶりの低水準となった。
英国の5年国債利回りの低下幅も、欧州連合(EU)離脱を選択した2016年の国民投票以来の 大きさを記録し、2年債は一時21ベーシスポイントと新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以降で最も大きく低下した。
5日のアジア時間に入ると、オーストラリアの10年国債利回りが一時8bp下げ、10月26日以来の低水準となる1.76%を付けた。3年国債利回りは一時10bp低下の0.87%。10年債利回りはこのままいけば、週間ベースで9年ぶりの大幅な下げとなる。
インフレ抑制のために金融引き締めに動くという市場の期待に各国・地域の中銀が屈するとの見通しについて、特に英中銀の決定がトレーダーの再考を促した。金利先物は22年に0.25ポイントの米利上げ2回をこれまで織り込んでいたが、2回目については今は23年を見込む。
ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略責任者スバドラ・ラジャッパ氏は「世界各国・地域の中銀は積極的な政策対応への市場の期待を押し戻そうとしているように見受けられる」と指摘した。
トリプルTコンサルティングのマネジングディレクター、ショーン・キーン氏は「過去24時間の米連邦準備制度と英中銀のコメントは、ロウ・オーストラリア準備銀行(中銀)総裁の2日の声明と比べるとまるでハト派的ではない。しかし豪中銀総裁の立場は、市場の現実から全くかけ離れているとはもはや思えない」と分析した。
原題: Bond Yields Slide From U.K. to U.S. as Traders Trim Rate Bets、 Shock BOE Hold Reunites Pound, Yields as Traders Slash Rate Bets、 Australia Yields Tumble After BOE Surprise Bolsters RBA’s Stance(抜粋)
(豪州国債の動きなどを追加して更新します)
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