電気自動車(EV)メーカーの米 テスラが26日発表した4-6月(第2四半期)決算では、利益がアナリスト予想を上回った。EV販売好調で利益率が改善し、純利益は10億ドル(約1100億円)の大台に上った。
発表資料によると、1株利益は調整後ベースで1.45ドル。アナリスト予想平均は97セントだった。創業18年の同社にとっては8四半期連続の黒字。
テスラは半導体不足や港湾の混雑といった問題に見舞われたものの、大衆市場向け「モデルY」と「モデル3」の販売が伸びたことから、営業利益は4倍に増加した。自動車事業の利益率は温暖化ガス排出枠(クレジット)の販売を除いたベースで25.8%と、前四半期の22%から上昇し、前年同期の18.7%から大きく改善した。
決算発表後の時間外取引でテスラ株は一時3.2%高の678.40ドルに上昇。通常取引終値は2.2%高の657.62ドル。
ザカリー・カークホーン最高財務責任者(CFO)はアナリスト向け電話会見で「自動車事業のクレジットを除いた粗利益率は10ポイント近く上昇し、モデル3投入以来最高に達した」と指摘。テスラが値下げ以上に製造コストを低減させたことで可能になったと説明した。
半導体不足
EV市場での競争が激化する中、世界的な半導体不足や商品相場の上昇でサプライチェーン(供給網)の課題も生じている。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はテスラが部品不足で工場の操業を停止したが、一部半導体製品については代わりのサプライヤーを見いだすことができたと説明。その上で、半導体不足がテスラの増産計画を妨げる恐れがあると警告し、「世界的な半導体不足は依然としてかなり深刻だ。改善しているようだが、予測は難しい」と電話会見で語った。
マスク氏はまた、自分が話す必要がある本当に重要なことがない限り、今後は四半期決算発表の会見には出ない可能性が高いと述べた。
テスラCEO「決算オンライン会見、今後は必ずしも出席しない」
4-6月期売上高は119億6000万ドル(約1兆3200億円)に増加し、アナリスト予想の113億6000万ドルを上回った。規制クレジットの売却益は3億5400万ドル。仮想通貨ビットコイン関連で2300万ドルの減損を計上した。
テスラは3大陸で事業を拡大し、テキサス州オースティンとドイツのベルリンで新工場を建設中。同社は「複数年にわたり」納車台数が50%増加する見通しを確認した上で、「それを上回るペースで伸びる年もある可能性があり、2021年がその年になろう」と予想した。オースティンとベルリンの新工場で年末までにモデルYの生産を開始する「軌道にある」ことも明らかにした。
一方、17年に発表したEVトラック「セミ」の投入日を再び先送りし、来年とした。ピックアップトラックの「サイバートラック」の生産はオースティン工場でモデルYに続くとしたが、それ以上の詳細は示さなかった。
原題: Tesla Tops Analysts’ Profit Forecasts as Auto Margins Widen (2) (抜粋)
(マスクCEOら経営陣のコメントなどを追加して更新します)
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