大型機械からプラスチックの部品が次々と飛び出してきた。その傍らで作業員が部品を研磨する。イランの首都テヘラン郊外にある医療機器メーカー「サーダット」では、医療用モニターや人工呼吸器の部品製造から組み立て作業まで同じ工場で手掛けていた。技術責任者のメヘルダード・マジダグディさん(32)は「部品の種類は四百以上あるが、そのほとんどを自前で作っている」と説明する。
サーダット社は二〇一八年の米国による制裁再開を機に、海外工場からの輸入に頼っていた部品を国内工場での自社製造に切り替えた。制裁で部品が輸入できなくなった影響を抑えたことで、制裁下でも売り上げを伸ばしている。
なかでも人工呼吸器は、一九年は三百台(一台約九十九万円)だった売り上げが、二〇年は新型コロナウイルスの影響もあり三千五百台(同約百三十二万円)と大幅に伸びた。医療用モニターもスイスやイタリアから外注を受けるなど国外でも好評だ。レザ・チャグブザデ社長(53)は「制裁によって国内産業が活性化した。制裁による『利益』だ」と笑顔を見せた。
イランでは、同社のように輸入できな...
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