車の最新技術 [2021.05.28 UP]
日産 欧州向け新型SUV「キャシュカイ」にアルミ部品のクローズドループ・リサイクル適用
日産 新型キャシュカイ
この記事の目次
日産は5月28日、欧州で生産するモデルとして初めて今夏発売予定の新型「キャシュカイ」にアルミ部品のクローズドループ・リサイクル・プロセスを適用すると発表した。
クローズドループ・リサイクルとは、生産時に発生した廃棄物やスクラップ、そして回収した自社の使用済み製品を、同等の品質を維持した材料として再生し、再び自社製品の部品に採用する手法のこと。
フードやドア、フロントフェンダーにアルミニウム板を採用し、旧型車に比べて約60kgの軽量化を果たした新型キャシュカイ
日産のアルミ部品 クローズドループ・リサイクル イメージ図
新型「キャシュカイ」は、フードやドア、フロントフェンダーにアルミニウム板を採用したことなどにより、旧型車と比較して約60kgの軽量化を実現。これによってCO2排出量の削減とともに、将来の電動パワートレイン等の新技術の搭載を可能にした。
そのアルミニウム部品を製造する設備として、英国のサンダーランド工場は昨年導入した2台目の超大型プレス機と、リサイクル用の大型エア搬送システムを配備。フードやドアを型抜きする際に発生する金属スクラップは、このエア搬送システムにより細断され、時速150kmのスピードで排出、1時間で7トン以上のスクラップを処理する。処理したスクラップはアルミニウムの材種ごとに区別した状態で回収し、サプライヤーへ還元。還元されたスクラップは再びアルミ板に加工され、新型「キャシュカイ」のパネル部品を含む日産の生産用アルミとして再出荷される。
この工程により、原材料から同量のアルミニウムを作るのに必要なエネルギーの90%以上を節約することができるとしており、新規採掘資源の使用量削減にもつながる。ひいては、2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体でカーボンニュートラルを実現するという日産の目標達成にも寄与するものとして期待が寄せられている。
同プロセスは、北米の新型「ローグ」を生産する日産自動車九州と北米日産スマーナ工場にも採用されており、日産は今後、その他の工場や車種にもこのプロセスの適用拡大を検討しているという。
日産 新型キャシュカイについて
日産 新型「キャシュカイ」
新型キャシュカイは、2021年2月に3代目の新型モデルとして発表されたクロスオーバーSUV。車種としては2007年のデビュー以来、欧州市場で最も売れている日産車となっている。
外観ではVモーショングリルやリアに流れるようにデザインされたフローティングルーフ、シンプルでありながらも大胆かつ力強い印象を与える緻密で張りのあるラインなどが特徴。
車体の骨格部分にも軽量素材を使い、最新のプレス技術と溶接技術によって強度の向上と軽量化も図られた。
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