東芝は7日、英投資会社の
CVCキャピタル・パートナーズから買収に関する初期提案を6日に受領したことを明らかにした。事情に詳しい関係者によると東芝は7日に取締役会を開き、CVCの提案などについて協議する方針だ。
東芝は7日朝の声明で、CVCから買収の打診はこれまで受けておらず、今後詳細情報を求めて慎重に検討し、開示すべき事項が発生した場合は速やかに公表するとした。
日本経済新聞は、CVCなどが東芝に買収提案する計画だと先に 報じていた。株式公開買い付け(TOB)を通じて東芝の株式を非公開化する内容で、買収額は2兆円を超える見通しだとしている。東芝はこの報道について当社が発表したものではないとした。
ブルームバーグのデータによると、東芝の株価は年初から33%上昇しており、6日の終値ベースでの時価総額は1兆7437億円。
東京証券取引所は7日、東芝株の売買を午前8時20分から一時停止すると発表した。公開買い付けに関する報道の真偽などの確認のためという。その後、取引は再開したがストップ高買い気配のまま値が付いていない。報道を受けて6日の東芝の米国預託証券(ADR)は一時前週末22%高と急伸していた。
東芝の車谷暢昭社長兼最高経営責任者(CEO)は、CVC日本法人の会長兼共同代表を経て2018年に就任。東芝がトップを 外部から迎えたのは約半世紀ぶりだった。就任以来、会計不祥事や記録的な赤字にあえぐ同社に対する投資家の信頼回復に努めてきた。
CVCは最近では資生堂のへアケアブランド「TSUBAKI(ツバキ)」など日用品事業を1600億円で買収することで 合意するなど日本企業の投資にも取り組んでいる。
東芝を巡っては、米マイクロン・テクノロジーとウエスタンデジタルがそれぞれ、東芝が株式の40.64%を保有する半導体子会社、キオクシアホールディングス(HD)の買収を模索している、と米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)が報じていた。
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しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用部長は、CVCの買収意向について「キオクシアにでなく東芝本体にというのはサプライズ」とコメント。株主から見ればプレミアムが乗っているため「相応に応募するのではないか」とする一方、東芝としては「回復途上で真の東芝の価値が見えていない段階で、最終判断は難しいのではないか」と述べた。
東芝は安全保障強化のために昨年に施行された改正外為法で、外国投資家に対して保有比率1%以上から事前の届け出を求める企業のリストに名を連ねている。
シティグループ証券の江沢厚太アナリストは7日付のリポートで、東芝は同法の重点審査の対象となっており、外国籍の株主が支配権を持つことが承認されるかどうかはまだ不明と推定されるとの見方を示した。
東芝では3月18日の臨時株主総会で、筆頭株主で物言う株主(アクティビスト)として知られる エフィッシモ・キャピタル・マネジメントが、昨年の定時総会における取締役選任の議決権集計方法に問題があるなどとして、再調査のため弁護士3人の選任を求めた提案が可決された。
エフィッシモは昨年の定時総会で、組織風土やガバナンスの問題を解決する必要があるとして、創業者の今井陽一郎氏ら3人を取締役として提案したが、否決されていた。車谷氏ら東芝側は監査委員会による調査の結果、集計に問題はなかったとの立場を取っている。
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