日産自動車は8日、先月社長を辞任した西川(さいかわ)広人氏(65)の後任に内田誠専務執行役員(53)が就く人事を決めた。最高執行責任者(COO)には三菱自動車COOのアシュワニ・グプタ氏(49)が就任する。同日の指名委員会と取締役会で決定した。内田氏とグプタ氏にとって、前会長、カルロス・ゴーン被告の事件による経営の混乱を収拾させ、低迷する業績を回復させることが大きな課題になる。
内田氏は、旧日商岩井を経て、平成15年に日産に入社。購買担当の常務執行役員などを経て、30年からは日産が最も注力する中国事業の責任者として現地事業の拡大に取り組んだ。
グプタ氏は、18年に仏ルノー入社。購買部門で頭角を現し、26年からはルノーの小型商用車部門の幹部として活躍した。その間、日産でも働いており、企業連合を組む日産、ルノー、三菱自動車の3社全てで勤務した経験を持つ。今年4月から三菱自のCOOに就いていた。
日産は6月に指名委員会等設置会社に移行しており、後任社長は社外取締役中心の指名委が選び、取締役会がこれを了承する形で決めた。指名委は複数の候補者と面談。暫定トップを務める山内康裕氏や、内田氏の前任者として中国事業を育てた関潤氏も候補になっていたとみられる。外部人材の起用に関して、指名委も当初は選択肢の一つとしていたが、「トップを務める強い思いを持つ人がいい」(日産幹部)として、内部昇格に傾いた。
50代のトップが誕生すれば60代の幹部への退任圧力が強まるため、社内では世代交代を押しとどめようとする動きも出ていたようだ。だが、指名委は53歳と若い内田氏の社長就任を決めた。新トップには、ゴーン事件で傷ついたブランドイメージの回復も期待される。
2019-10-08 11:17:00Z
https://www.sankei.com/economy/news/191008/ecn1910080035-n1.html
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