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Saturday, June 1, 2024

あの自動車メーカーが新疆ウイグルのブラック部品を使った - ITpro

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全2844文字

(出所:日経クロステック)

(出所:日経クロステック)

 2024年5月20日、米上院は自動車産業のサプライチェーンについて記した報告書を公開した。中国新疆ウイグル自治区において人権侵害が疑われる企業の部品が大手自動車メーカーに納品され、製品に組み込まれて米国市場に流れ込んでいる、というものだった。米国では、人権侵害や強制労働に関わる形で一部またはすべてが生産された商品・製品の輸入を禁じている。

 筆者はこの問題について以前から関心を持っており、当連載でもサプライチェーンと人権について取り上げてきた。注目すべきは「人権を守らねばならない、強制労働はなくさねばならない」という建前の議論から一歩抜け出しているのが米国である、という点にある。すなわち「人権問題がある」=「米国で輸入できない」=「米国で販売できない」と、ビジネスに直結する話になっている。

 欧州では大企業を中心に、自社のサプライチェーン上において人権侵害がないかどうか調査・確認するようにしている。違反時には罰金や、政府調達に入札できないなどの処分があるものの、建前の議論の域にとどまる。ただ今後は、米国市場のように踏み込んだ対処が必要となる可能性があるため、日本企業も注目すべきだ。

 今回はあくまで報告書の公表であり、ただちに法的な処分が下されるわけではない。ただこの報告書を見ると、人権侵害に関しての“甘え”が全く通用しなくなったように感じる。「自社が人権侵害をしているわけでも、強制労働をさせているわけでもない。あくまで、サプライチェーンの上流に存在して自社と直接のやりとりがないティア2(2次)、ティア3(3次)サプライヤーにおいて人権侵害があっただけだ。自社が把握できなかったのは仕方がない」といった本音は、もはや許されない風潮になりつつある。

中国新疆ウイグル自治区の農村。(写真:王 暁希/stock.adobe.com)

中国新疆ウイグル自治区の農村。(写真:王 暁希/stock.adobe.com)

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BMWではなくティア2がブラックリスト企業から調達

 まずは米国上院の委員会で公開された報告書をご覧いただきたい。米国発の報告書らしい添付資料(ATTACHMENT)の執拗さが調査の徹底ぶりをもの語る。

* 上院財政委員会「Insufficient Diligence: Car Makers Complicit with CCP Forced Labor」

 この報告書ではまずドイツBMW、英Jaguar Land Rover Automotive(ジャガーランドローバー)、ドイツVolksWagen(フォルクスワーゲン)が名指しされている。それぞれ、強制労働によって製造された部材を、ティア1サプライヤーなどを経由して輸入していたと指摘している。

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