新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業が実質無利子・無担保で融資を受けるいわゆる「ゼロゼロ融資」の返済が本格化するのを前に、経済産業省は新たな借り換えを保証する制度を10日から始めることにしています。
コロナ禍で売り上げが減少した企業の資金繰りを支援する実質無利子・無担保の「ゼロゼロ融資」は、2020年3月から始まり、これまでの融資総額は42兆円に上っています。
民間の銀行や信用金庫などから3年間、融資を受けている企業の返済がことし7月以降、本格化することから、経済産業省では企業の新たな借り換えを保証する制度を10日から始め、資金繰りへの支援を継続させる方針です。
ただ、ゼロゼロ融資をめぐっては、収益が改善する見通しが立っていない企業も融資を受けられたことから、安易な借り入れで過剰債務になりかねないと指摘されてきました。
こうした中、新しい制度では、売り上げが前の年より5%以上減少していることに加え、収益力の強化に向けた計画書の作成などが保証の条件となっています。
そのうえで、中小企業に対して、1億円を上限に国が10年間実質的に融資の保証を行うほか、新規事業への投資など新たな資金需要への保証も行うとしています。
中小企業庁の神崎忠彦金融課長は、「企業の返済負担の軽減をはかるだけでなく、金融機関にも伴走支援をしてもらうことで収益力の向上もはかりたい」と話していました。
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