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Thursday, September 29, 2022

「体が動く限り続けたい」80代も走るシニアサッカーの魅力とは - 毎日新聞 - 毎日新聞

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伸び伸びと駆け回り、ボールを蹴る「アスレチッククラブちば」(ACちば)のメンバーたち=千葉市中央区のフクダ電子スクエアで、2022年9月15日午前10時47分、秋丸生帆撮影 拡大
伸び伸びと駆け回り、ボールを蹴る「アスレチッククラブちば」(ACちば)のメンバーたち=千葉市中央区のフクダ電子スクエアで、2022年9月15日午前10時47分、秋丸生帆撮影

 幾つになっても仲間とボールを蹴りたい――。そんな欲求を満たしてくれる場がある。千葉市のシニアサッカーチーム「アスレチッククラブちば」(ACちば)。練習場を訪ねると、70代、80代になってもなお、元気にボールを追うたくさんの笑顔があった。

 歩きながらパスを回したり、リフティングをしたり。激しく当たり、走るのはご法度だ。9月中旬。この日の練習場となった千葉市内のグラウンドを訪ねると、60人ほどの集団が一つのボールを蹴っていた。チームが準備運動の一環としている「ウオーキングサッカー」だ。

 練習は多いときで週4回、1回約2時間。千葉市や千葉県佐倉市のグラウンドに、毎回50~60人が集まる。メンバーは30~80代の計162人(4月時点)。このうち60代は53人、70代は55人、80代は14人だ。準備体操を終えると、年齢層が均等になるようにして10人ほどのグループを幾つも作って、グラウンドの半分を使って試合形式の練習を繰り返す。

 「勝負、勝負」「負けんな」。激しい言葉も飛び交う中、目に飛び込むのはシニア世代の奮闘ぶりだ。時折、足がもつれるのはご愛嬌(あいきょう)。相手に競り勝ってヘディングを決める60代や、体重の乗ったシュートで相手ゴールに迫る70代の姿もみられる。

 ひときわ目立つ金のパンツをはいたメンバーがいた。大内圭二さん(86)だ。80歳以上の人だけが着用できる、名誉ある金のパンツを身に着けて、さっそうと駆け回る。「仲間がボールを持った瞬間に走り出してうまくパスをもらう。コンビネーションを決められる瞬間があるとやめられない」。そう語る大内さんがサッカーを始めたのは高校時代。就職後も仲間を誘って社内の大会に出場した。だが、転勤や加齢でそうした機会は減る一方。退職し、約10年前にチームに加入して本格的にサッカーを再開した。

「アスレチッククラブちば」(ACちば)の練習に参加する80代のメンバーたち。左から2人目が最高齢の大内圭二さんだ=千葉市中央区のフクダ電子スクエアで2022年9月15日午前10時58分、秋丸生帆撮影 拡大
「アスレチッククラブちば」(ACちば)の練習に参加する80代のメンバーたち。左から2人目が最高齢の大内圭二さんだ=千葉市中央区のフクダ電子スクエアで2022年9月15日午前10時58分、秋丸生帆撮影

 小走りで味方に駆け寄り、パスを引き出す大内さん。「よっぽどフリーじゃないと、僕なんかはパスをもらえないんだけどね。体が動く限りは続けたいよ」と笑う。

 「サイドキックができる程度の方なら入会を歓迎」と公式サイトで呼びかけるだけあって、メンバーは年代も力量もばらばらだ。日本代表や企業チームを経て加入した人も、高校で全国大会を経験した人もいる。一方で社会人になってサッカーを始めた人や、半世紀のブランクから復帰する人もいる。

 それだけに「けがをさせない、しない」が鉄則だ。「75歳以上の相手には接触プレーはしない」という暗黙のルールも存在する。万一の事態に備え、自動体外式除細動器(AED)も用意している。

 日本サッカー協会(JFA)はシニア世代を「40歳以上」から「70歳以上」まで四つに分け、それぞれ大会を開いている。ACちばは6月に愛媛県で開かれた70歳以上による「JFA第16回全日本O-70サッカー大会」で優勝の栄冠に輝いた。さまざまなメンバーが楽しみながら快挙を成し遂げたことで、チームは沸いた。

 チームの代表を務める武藤敏直さん(71)は「地位や肩書も関係ありません。引退の年も決めていないので、サッカーを愛する人なら誰でも歓迎です」と話し、新たな仲間が加入するのを心待ちにしている。【秋丸生帆】

「アスレチッククラブちば」(ACちば)の活動理念(取材に基づく)

・試合にも練習にも誰もが積極的に参加するボランティア精神を尊重

・高齢者の健康増進を図り、シニアサッカーの頂点を目指す

・サッカーをこよなく愛し、生涯スポーツとして、互いをリスペクトする

・紳士、淑女の精神を持ったメンバーのチームを目指す

・けがをさせない、しないサッカーを目指す

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