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オランダ化学大手Royal DSMが開発した廃棄漁網を再生したPA(ポリアミド)6樹脂が、自動車部品やスマートフォンなどの部品に採用された。自動車部品に採用したのは米Ford Motor(フォード・モーター)、スマホ部品などに採用したのは韓国Samsung Electronics(サムスン電子)である。
DSMの再生PA6樹脂「Akulon RePurposed」のコストは石油由来PA6樹脂よりも高いが、機械的特性や耐久性などが石油由来品と同水準であることが採用の決め手になった。同社の再生PA6樹脂が自動車部品やスマホ部品などの工業用部品に採用されたのは今回が初めてである。
フォードは、2022年モデルの新型SUV(多目的スポーツ車)「Bronco Sport(ブロンコスポーツ)」のワイヤハーネスのクリップに、DSMの再生PA6樹脂を使った(図1)。フォードでリサーチ部門バイスプレジデント兼ヘンリーフォードテクニカルフェローを務めるJim Buczkowski氏は、「ワイヤハーネスのクリップは小さな部品だが、再生海洋プラスチックの採用拡大に向けた重要な一歩になる」と述べる。
サムスン電子は、22年2月に発売した最新スマホ「Galaxy S22シリーズ」とタブレット「Tab S8シリーズ」に、DSMの再生PA6樹脂を採用した。S22シリーズではキーブラケットやSペンの内部カバー、S8シリーズでは内部サポートブラケットなどの部品に使った(図2)。
サムスン電子でマテリアルR&D マネジャーを務めるPranveer Singh Rathore氏は、「S22シリーズとS8シリーズについては25年までに、すべての新製品に再生素材を採用する。さらに今後数年をかけて、海洋プラスチックの再生品を全製品に採用していく」と話す。
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