21日の米金融市場では株式と国債がともに下落。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長がタカ派的な見解をあらためて表明したことから市場が動揺し、国債利回りが大きく上昇した。米金融当局はインフレ抑制のためなら大幅利上げも辞さない構えを示している。
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パウエル議長はこの日、金融当局はインフレを鈍化させるために「必要な措置」を講じると表明した。米国債市場では2年債利回りが2019年以来の高水準となったほか、10年債利回りが20年3月以来の大幅上昇となった。
S&P500種株価指数は前週末比0.1%未満下げて4461.18。パウエル議長の発言後に日中安値を付けたが、そのあと下げの大半を埋めた。ダウ工業株30種平均は201.94ドル(0.6%)安の34552.99ドル。ナスダック総合指数は0.4%低下。ニューヨーク時間午後4時7分現在、10年債利回りは15ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.30%。2年債利回りは20bp近く上昇した。
米国債イールドカーブは大きくフラット化。5年債と30年債の利回り格差は2007年以来の水準に縮小する場面があった。
ブリークリー・アドバイザリー・グループのピーター・ブックバー最高投資責任者(CIO)は「米金融当局が利上げとバランスシート縮小の両方を進める中で、ソフトランディング(軟着陸)などというものはないだろう」とコメントした。
外国為替市場ではドル指数が上昇。国債利回りの大幅上昇が背景となった。米ドルはカナダ・ドル以外の主要通貨に対して値上がりした。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.2%上昇。ニューヨーク時間午後4時7分現在、ドルは対円で0.3%高の1ドル=119円48銭と、6年ぶり高値。ユーロは対ドルで0.3%安の1ユーロ=1.1014ドル。
ニューヨーク原油先物相場は3営業日続伸。ロシアのウクライナ侵攻から1カ月近くが経過したが事態収拾のめどが立っていないことで、供給懸念に拍車が掛かった。
欧州連合(EU)の一部加盟国が原油などを対象とした対ロシア追加制裁を 呼び掛けた。ロシア大統領府は、同国産原油の輸入をEUが禁じれば世界市場に多大な影響が及び、欧州は最も大きな痛手を負うと警告した。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物4月限は、前週末比7.42ドル(7.1%)高の1バレル=112.12ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント5月限は、7.69ドル高の115.62ドル。
ニューヨーク金先物相場は小反発。金融当局はインフレを鈍化させるために「必要な措置」を講じるとのパウエルFRB議長の 発言を受け、上げ幅を縮小した。ただ原油高を背景としたインフレ懸念や、米国株下落を受けた逃避需要の高まりから、プラス圏にとどまった。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は、前週末比0.1%高の1オンス=1934.80ドルで終了。
原題: Treasuries Roiled by Powell as Stocks Slip: Markets Wrap(抜粋)
Treasuries Tumble After Powell Puts 50bp Fed Rate Moves in Play(抜粋)
Dollar Rises With Treasury Yields After Powell: Inside G-10(抜粋)
Oil Surges On Growing Supply Fears as EU Considers Russian Ban(抜粋)
Gold Pares Gains After Powell’s Comments on Fed Rate-Hike Stance(抜粋)
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