「今年は(首の周りが)ちょっと緩い感じだけど」と感想を述べると、あえてキリっとした表情を浮かべ「でも気は引き締めて」とおどけてみせる。
何気ない会話の中でジョークを飛ばす。先日のオンラインでのインタビュー取材でもそうだ。欧州の舞台でも、日本代表でも成功を収めた男は、自身のキャリアを振り返り、「寂しいサッカー人生ですね」とうそぶく。
もっとも、たとえ冗談だとしても、“寂しい”というフレーズが口をついて出てくるには、それなりのワケがある。「恐怖に襲われてサッカーをしているから」。中学時代のある経験が、今も俊輔の中ではトラウマになっている。
横浜のジュニアユース時代。どんなプレーをすれば指導者から評価されるかは分かっていたが、「俺は俺のプレーでいいや」と自分を曲げなかった。そのスタンスは良い方向に転がらなかった。「中3で身長が伸びなくて、ベンチ外になって……」。後に進学した桐光学園で力をつけ、その名を全国に轟かせることにはなるのだが、ユースに昇格できなかったのは、ひとつの挫折だった。
「置いて行かれる感覚、落ちていくのが分かるから。怖いんだよ。怖いから、高校に入ってから自主練も覚えたし。恐怖だから、先に予習とかしたくなる」
その積み重ねのサッカー人生を“寂しい”と表現する。43歳となった今も、常に恐怖と隣り合わせだと認める。
からの記事と詳細 ( 「寂しいサッカー人生ですね」とうそぶく中村俊輔。トラウマを抱え、恐怖と隣り合わせでも「楽しい」と言える理由 - サッカーダイジェストWeb )
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