【NQNニューヨーク=古江敦子】28日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比564ドル69セント(1.7%)高の3万4725ドル47セントで終えた。朝方は売りが先行し、一時は350ドル強下落したが持ち直した。市場予想を上回る四半期決算を発表したスマートフォンのアップルやクレジットカードのビザが買われ、指数を押し上げた。米長期金利が低下し、高PER(株価収益率)のハイテク株が買い直された。
アップルが7%高、ビザは11%高で終え、2銘柄でダウ平均を210ドルあまり押し上げた。アップルは27日夕に発表した2021年10~12月期決算で主力のスマートフォン部門が堅調に伸び、売上高と純利益がともに四半期として過去最高だった。ビザは決算が大幅な増収増益となり、先行きに強気な姿勢を示したのも好感された。
米長期金利が1.78%近辺と前日終値(1.80%)をやや下回った。ハイテク株が買い直され、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやソフトウエアのマイクロソフトが上げた。市場では、「ハイテク銘柄をはじめ米株は短期的に売られすぎており、持ち高調整の買い直しが取引終了にかけて強まった」(ナショナル・セキュリティーズのアート・ホーガン氏)との指摘があった。
一方、市場予想を下回る決算を発表した銘柄は売られた。28日朝に発表した決算で営業利益が市場予想を下回った建機のキャタピラーが5%下落。大幅増益決算だったが1株利益が市場予想に届かなかった石油のシェブロンが4%下げた。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの加速が景気を冷やすとの見方もあり、工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や化学のダウなど景気敏感株の一角が売りに押された。
今週の米株相場は不安定な値動きが続いた。日中の高値と安値の幅(日中値幅)は平均で989ドルと、年明け以降の前週までの平均(450ドル)の2倍以上に拡大した。FRBは金融引き締めに転じる方針を打ち出しているが、利上げや資産圧縮のペースには不透明感が強い。
投資家心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は28日終値で27.6と不安心理が高まった状態とされる20を大幅に上回っている。FRBの金融政策の道筋が具体的に見えてくるまでは変動の大きい相場が続く可能性が高い。
ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数も大幅に反発し、前日比417.790ポイント(3.1%)高の1万3770.573で終えた。アップルが大幅高となり、他のハイテク大手が連れ高した面もある。来週に決算発表を予定するグーグルの親会社アルファベット、ネット通販のアマゾン・ドット・コムが上昇した。半導体のエヌビディアや電気自動車のテスラも高い。
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