「恒大集団問題はリーマン・ショックとは違う!」
●欧米市場は軒並み高になっているぞッ!
世界的な株高である。古来、「株価は正しい」という。23日の欧米市場は軒並み高だ。アジア市場も反発している。これは何を意味しているのか。そもそも、ショック安とは「予期せぬ出来事」のこと。中国恒大集団のように、経営危機がさんざん話題になっていた事例がショック安を引き起こすとは考えにくい。リーマン・ショックとは違う。
それに、FRBの11月2~3日のFOMCにおいて、テーパリング(資産買い入れ額の縮小)決定、2022年央には利上げのスケジュールは怪しくなってきた(先送り?)。連邦政府の債務上限(28兆4600億ドル)の引き上げ、ないしは凍結問題は年中行事だ。アメリカ国債のデフォルト(債務不履行)はない。早晩、解決するだろう。
恒大集団は2020年8月以来、中国人民銀行、中国銀行保険監督管理委員会の強烈な締めつけを受けている。金融当局が不動産開発業者に介入するという異例の事態だ。すでに、先週には社債利回り(22年3月償還債)が「600%」を超えるなど、最悪の状況を織り込みつつある。
中国政府は民間企業、かつ「不動産バブルの元凶」とされる企業を救済しないだろう。ただ、“突然死”は想定しづらい。当面は時間稼ぎか。利払いは今後も継続する。「払った」「未払い」の報道に一喜一憂する展開は続くことになる。
●物色面での狙い目はどうか?
一方、物色面では史上最高決算となる川崎汽船 <9107> 、サイバーエージェント <4751> 、ミスミグループ本社 <9962> 、新光電気工業 <6967> 、太陽誘電 <6976> などが引き続いて狙い目だろう。東京エレクトロン <8035> 、リクルートホールディングス <6098> 、オープンハウス <3288> などにも注目できる。
個別銘柄ではコロナ治療薬の原末を供給している広栄化学 <4367> [東証2]が面白い。ワクチンの次は治療薬だ。ギリアド・サイエンシズのレムデシビル、富士フイルムホールディングス <4901> のアビガン向けに原材料を供給中である。親会社は住友化学 <4005> だ。発行済み株式数の55.7%を保有している。
次はITの「2025年の崖」だ。企業が2000年前後に導入した基幹システムが時代遅れになっている。2025年には「6割のシステムが老朽化する」といわれている。フューチャー <4722> 、フォースタートアップス <7089> [東証M]などITコンサル、SI(システムインテグレーター)には大きな特需が発生することになろう。
ポストコロナの視点ではプロモーション企画のフロンティアインターナショナル <7050> [東証M]に妙味があろう。業績は急浮上に転じる。アナリストによると、1株利益は2022年4月期が150円、 23年4月期が170円と予想されている。コロナショック前の水準をほぼ回復する。
日本金銭機械 <6418> は紙幣鑑別機、硬貨計算機の大手だ。 カジノ、パチンコ業界の影響を受ける。再開後のアメリカのカジノは「空前の活況」という。
2021年9月24日 記
株探ニュース(minkabu PRESS)
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