同じ競技の日本代表チームでも、オリンピック(五輪)とパラリンピックではユニホームが違うことがよくある。競技団体が違うため、支援するスポンサーやメーカーも違うからだ。
そのなかで、ブラインドサッカー(5人制サッカー)は初出場の東京パラリンピックで、初めて五輪の男女日本代表と同じユニホームを着用した。選手をはじめ、サッカー関係者の悲願が実った。
「同じサッカー好きの仲間なのに、どうしてユニホームが違うのか。一緒にできればいい、と障がい者サッカーに関わる人たちは思っていた」。青海アーバンスポーツパークの会場で試合を見た日本障がい者サッカー連盟の山本康太・事務総長は感慨深げだった。
今大会は、メダルセレモニーで日本選手団が着るオレンジ色のジャージーがオリパラ共通なほか、卓球、同じ競技団体に所属するトライアスロンなどでオリパラ同一のユニホームを着用している。ただ、陸上などユニホームのメーカーが違う多くの競技団体は別のままで、団体競技では異例だ。
サッカーでも、初の取り組みだった。
アンプティ(切断)、脳性まひ、ソーシャルフットボール(精神)、知的障がい、電動車いす、デフ(聴覚)、そしてブラインドサッカー(視覚)。もともと、日本サッカー協会(JFA)とは別に七つの障がい者サッカー団体があり、ユニホームもエンブレムもバラバラだった。
「サムライブルーと一緒のユニホームを着たい」
「(代表ユニホームについている)八咫烏(やたがらす)のマークを着けたい」
選手たちが声をあげ、各団体が動いた。2016年、七つの団体が加入する日本障がい者サッカー連盟が誕生し、元日本代表の北沢豪さんが会長に就任した。
その第1歩として、アディダスの提供で七つの団体のユニホームのデザインが統一された。ただ、スポンサー契約や各協会を支援してきた企業との関係もあって、JFAの代表ユニホームと一緒になることは見送られた。
各スポンサー企業の理解を得て同じユニホームを着るにはどうしたらいいか。障がい者サッカー連盟が意識したのは「一緒のユニホームで戦いたいと思えるスポーツになれるかどうか」だった。障がい者サッカーの価値を上げることが課題だった。
ブラインドサッカー協会はチケットを有料化する試みを始めた。多様性を体感するため、アイマスクをつけて競技を体験する「スポ育」事業も始めた。10年から累計で16万人を超える子どもたちが体験したという。
関係者によると、同一ユニホーム実現の追い風となったのは、オリンピックの縛りだったという。
五輪憲章では、ユニホームに…
からの記事と詳細 ( サッカーでオリパラ同一ユニホームが実現 五輪の事情が追い風 - 朝日新聞デジタル )
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