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Saturday, March 27, 2021

日本的下請け制度が毎回入札の部品調達より合理的な理由 - ニュース・コラム - Y!ファイナンス - Yahoo!ファイナンス

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給与の格差等々は問題かも

ところで、企業はなぜ部品を自分で作らずに下請けメーカーに発注したりするのでしょうか。下請けメーカーが儲かるなら、自分で作ればその分も儲かるはずなのに。その理由はおそらく、給料の格差と固定費抑制だと思われます。

最近は少しずつ変化しつつありますが、基本的な発想として日本企業と従業員は「会社は家族」という意識を持っていますので、会社の中はできるだけ平等が良いと考えています。年功序列賃金などは、その典型でしょう。

そこで、「作るのが簡単な部品は賃金の低い下請けメーカーに作ってもらって購入する」という発想が出てくるのでしょう。自社で作ると、部品製造ラインの労働者にも同じ賃金を支払う必要が出てくるので、それを避けよう、ということですね。

もしかすると、固定費を抑制してリスクを避ける、という意味もあるのかもしれません。下請けを使っていれば、景気が悪くなって注文が来なくなった時に、部品の仕入れを止めれば良いからです。自社生産の場合には、設備機械の減価償却費や人件費などが必要ですが、それが不要だ、というわけです。

ただ、これは単なる「下請けにリスクを押し付けている」というわけではありません。下請け企業も、リスクだけ押し付けられたのでは倒産してしまいますから、景気の良い時には十分儲かるような価格設定を要求するはずです。

そうだとすれば固定費の抑制には、好況時と不況時の収益の振れを縮小する効果はあったとしても、長い目で見れば損得には余り影響しないのかもしれませんね。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織その他の見解ではありません。また、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。ご了承ください。

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