[東京 25日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は25日の参院予算委員会で、上場投資信託(ETF)の買い入れについて、2%の物価目標達成に時間がかかるため当分続けるとの従来の見解をあらためて示した上で、仮に保有株を処分する場合は金融政策決定会合で処分方針を決めると述べた。日経平均株価が2万円を下回ると保有ETFの時価が簿価を下回るとも指摘した。浅田均委員(維新)への答弁。
<ETF売却は適正価格で、市場のかく乱や損失回避>
黒田総裁はETF買い入れ終了後の処分について「具体的対応を検討するのは時期尚早。現在保有しているETFの今後の取り扱いについては、将来の時点で、そのときの情勢を踏まえて判断することになる」との従来の答弁を繰り返した。
その上で「仮に、仮に将来、日銀が買い入れたETFを処分するような場合、金融政策決定会合で新たな処分の指針を定めることになる」と指摘。「その場合の考え方は、売却は適正な対価により、市場などにかく乱的な影響を与えることを極力回避し、さらに損失発生を極力回避する」と述べた。
同時に「現時点で出口の具体的対応策を議論する局面には至っていない」とあらためて強調した。
<日経平均が2万円程度を下回ると保有ETFに評価損>
日銀は19日の金融政策決定会合で、ETF買い入れについて年間12兆円の上限を維持する一方、原則で年6兆円としていた購入の目安を削除した。これを踏まえ、浅田氏は株を買い入れている中央銀行が他国にあるかや、買い入れ目的、今後の処分方法を質問した。
黒田総裁は株式を金融政策目的で買い入れている先進国の中央銀行は他にないと説明し、日銀が買い入れているのは金融緩和の一環で、株式市場の変動による企業や家計の信頼感悪化を防ぐのが目的だと述べた。
日銀の保有ETFで評価損が発生する水準について、黒田総裁は「昨年9月末時点の保有状況から機械的に試算すると、日経平均株価の水準が2万円程度を下回ると保有ETFの時価が簿価を下回る計算になる」と指摘。足元でも、昨年10月以降のETF買い入れを基にした「やや粗い試算によると、やはり2万円程度」と説明した。
*内容を追加しました。
竹本能文 編集:青山敦子 山川薫
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