日銀が1日発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は5と前回の2020年12月調査から15ポイント上昇した。米中など海外経済の持ち直しで輸出や生産活動が拡大し、3四半期連続で改善した。新型コロナウイルス前を回復した。大企業非製造業のDIはマイナス1で4ポイント改善したものの上昇幅は小さく、コロナ禍からの景気回復は二極化の様相が強まっている。
業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた値。大企業製造業のDIは新型コロナの影響で20年6月にリーマン・ショック後の水準と並ぶマイナス34まで落ち込んだ。その後は改善傾向が続き、19年9月のコロナ前(プラス5)と並んだ。
主要16業種のうち13業種で改善した。米中をはじめ世界経済の持ち直しを背景に海外向けの設備投資需要が回復。石油・石炭製品、生産用機械などの改善が目立った。国内でもリモートワークの普及や巣ごもり需要によるインターネット環境の整備を受け電気機械などでも景況感が上向いた。21年に入り急速な円安・ドル高が進んだことも追い風になった。
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