今年度最初で最後の全国舞台となった高校サッカー選手権は、個性豊かな多くの選手たちが輝きを放った。Jリーグへ進む選手もいるが、そのなかで今大会の活躍からルーキーイヤーでブレイクが期待できる、5人の選手を紹介する。 ◆【写真】本田望結。高校サッカー応援マネージャーのキュートな姿【8枚】 須藤直輝 すとう・なおき MF/昌平高→鹿島アントラーズ/169cm、63kg ボールを持てば、何をするかわからない――。ロナウジーニョ(ブラジル)に憧れた少年は、大宮アルディージャU-15を経て、昌平でその才能が花開いた。 タイトなマークを受けた影響で今大会は1得点2アシストに留まり、本来のよさを出す場面は限られたかもしれない。だが、トリッキーなドリブルを武器に相手を翻弄し、決定的な仕事で与えられたタスクを遂行した。 最も輝いたのは高川学園との初戦。後半39分まで0-2とリードを許す展開のなかで本領を発揮した。40分に自らの突破で篠田翼のゴールをお膳立て。ラストプレーでは強気に縦へ仕掛けてファウルを獲得し、FKから篠田大輝の同点弾をアシストした。 2年連続でベスト8敗退となり、幼い頃から描いていた選手権制覇の夢は叶えられなかった。だが、その敗戦を受け止め、次のステージでさらなる成長を期す。 「自分のマークは厳しくなるし、分析もされる。でも、一流の選手はそのなかで相手を抜いて、ゴールを決められる。そこは自分の実力不足。この現実を受け止めて、もっとうまくならないといけない」 夢のつづきは鹿島で――。ドリブルはプロの世界で十分に通用する。だからこそ、チームを勝たせる選手となり、掴めなかった日本一をJの舞台で目指す。
藤原優大 ふじわら・ゆうだい DF/青森山田高→浦和レッズ/182cm、75kg 今大会、あらゆる面で頭ひとつ抜きん出ていたセンターバック(CB)は、前評判どおりのプレーで青森山田の最終ラインに君臨した。 エアバトルの強さは抜群で攻守で躍動。競り合いは負け知らず。帝京大可児との3回戦では、セットプレーから2得点を挙げ、準決勝の矢板中央戦でもロングスローから技ありのバックヘッドを流し込んだ。 対人プレーでも圧倒的な強度で相手のエースを封殺。格の違いを見せつけた。中学時代はボランチを主戦場としていただけあって、正確なフィードも持ち味の一つ。攻撃の起点になる場面も多く、準々決勝の堀越戦では一発で逆サイドに展開して、ゴールのきっかけをつくった。 卒業後は浦和レッズの一員となる。これまでは高卒のCBがいきなり活躍するケースは多くないが、ルーキーイヤーから出番を掴む可能性がある。 浦和は鈴木大輔が移籍し、最終ラインはベテランの選手が多くなった。プロ仕様のフィジカルを身に着け、Jリーグトップクラスのアタッカーに対応する術が備われば、橋岡大樹のように1年目から活躍したとしても不思議ではない。
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