リスボンのダ・ルスで行なわれた2019-20シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)決勝は、バイエルンがパリ・サンジェルマン(PSG)を1-0で下し優勝した。
ベスト8以降を、1都市集中開催の90分1本勝負で争うウィズコロナ仕様の方式が、今回の結果にどれほど影響を及ぼしたか定かではないが、従来シーズンのCLと比較すれば、威厳や公平性に欠けることは確かである。タイトルの重みもその分だけ軽くなる。だがその一方、サッカーそのもののレベルは高かった。
サッカー選手は、舞台が整えば整うほど、プラスアルファの力が働きやすくなると言われる。無観客試合はそうした恩恵にあずかりにくい悪条件になる。だが各選手、各チームは、それでもレベルの高いパフォーマンスを発揮した。これまでの大会を上回る、まさに競技力のマックス値を更新するかのようなサッカーを披露した。
2013-14シーズンはレアル・マドリードが優勝。翌シーズンはバルセロナ。2015-16シーズンから3シーズンはレアル・マドリードが連覇し、昨シーズンはリバプール......という流れで迎えた今季だった。
スペイン勢の牙城をリバプールが崩した後のシーズン、である。リバプールの連覇なるか。スペイン勢の復権なるか。そしてバイエルンは、それ以外のチームの中で1番手に位置していた。
CL優勝にはなんとなく順番のようなものがある。強豪の中で最近、優勝していないチームはどこか。力はありながら結果が残せていないクラブはどこか。ストレスを溜めているビッグクラブ、つまり勝ちたくてどうしようもないと思っているビッグクラブはどこか。という視点で欧州を眺めた時、浮上したのがバイエルンだった。
昨年11月、ニコ・コバチから、ハンス=ディーター・フリックに監督が交代し、そのサッカーが劇的によくなったことを確認すると、筆者の中で、バイエルンはすっかり本命のような存在になっていった。
ところで、欧州サッカーは現在、リーグランキング1位がスペインで、2位がイングランド、3位ドイツ、4位イタリア、5位フランスの順番になっている。大相撲的に言うならば、スペインが東の横綱でイングランドが西の横綱、ドイツが大関で、イタリアが関脇、フランスが小結という順列になる。
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August 25, 2020 at 02:55PM
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