新型コロナウイルスの感染拡大の影響が最も強く出て、自動車の需要が「底」になるといわれた4~6月。部品メーカーの受注も激しく落ち込んだ。部品最大手のデンソーなど、トヨタ系大手メーカーの2020年4~6月期決算は、影響の深刻さが浮き彫りになった。速いペースで業績が戻るとの見通しも示されたが、納入先や地域でばらきつきがあり、回復軌道には不透明感もある。
7月31日に出そろったトヨタ系大手8社の20年4~6月期決算は、新型コロナによる世界的な需要急減で、6社の純損益が赤字だった。足元では新車需要は回復しつつあり、21年3月期の業績予想は8社中6社が黒字を見込んでいる。
自動車部品国内2位のアイシン精機の売上高は前年同期比42・3%減の5552億円、営業損益は799億円の赤字だった。四半期では08年のリーマン・ショック期を超える過去最大の赤字だった。純損益も503億円の赤字だった。世界各地で約1カ月間、工場を止めたといい、川崎有恒・執行役員は「初めての経験。リーマンより今回の方が厳しい」と話した。
拡大するトヨタ系大手8社が出した今期の業績予想では6社が純利益を確保する見通し
軸受けなどを手がけるジェイテクトは純損益が251億円の赤字で、四半期では過去最大。21年3月期の通期予想も純損益が260億円の赤字を見込む。純損益の赤字は2期連続。研究開発や設備投資の費用が膨らんでいるといい、牧野一久・専務取締役は会見で「損益分岐点が落ちている。(そこに)コロナの影響が来た」と説明した。
デンソーの売上高は42・2%減の7650億円、純損益は900億円の赤字。ただ「回復は結構早い」(松井靖・経営役員)とし、通期の売り上げは前年比約1割減、純損益が750億円の黒字を見込む。
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