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Saturday, May 30, 2020

戦闘機「紫電改」の部品…戦争資料26点を加西市に寄託 - 神戸新聞

 兵庫県加西市鶉野町の旧鶉野飛行場にまつわる資料や、旧日本海軍の切り札とされた戦闘機「紫電改」の部品など計26点を、戦史研究家の上谷昭夫さん(81)=同県高砂市=が加西市に寄託した。同市が2022年春にオープンさせる地域活性化拠点施設で展示する予定で、上谷さんは「長年かかって収集した資料。飛行場などの歴史を全国に紹介するために生かしてほしい」と願う。(小日向務)

 同飛行場は1943(昭和18)年に完成し、姫路海軍航空隊が開設された。隣接して航空機の製造工場があり、「紫電」「紫電改」が組み立てられた。航空隊では若者らの訓練が行われ、45年には神風特攻隊が編成されている。

 寄託されたのは紫電改の防弾ガラスや主輪、紫電の主翼部品のほか、製造工場の技師による業務内容メモや海軍搭乗員の冬服など。

 上谷さんは、近くの事業所に勤務していた際、多くの関係者から飛行場や工場について尋ねられたことから、約25年前に元航空隊員や工場従業員、周辺の住民らの聞き取り調査を始めた。その中で資料を委ねられることも多かったという。

 99(平成11)年、特攻隊の元隊員や遺族、地元有志によって平和祈念の碑が設立されたのを機に、上谷さんが理事を務める「鶉野平和祈念の碑苑保存会」が発足。同会は同市鶉野町に鶉野飛行場資料館を開設、運営しており、今回の寄託品を含む多くの資料を展示している。

 加西市は戦争遺産群を活用した平和学習や地域振興を進めており、展示予定の拠点施設は本年度、着工する。

 鶉野飛行場資料館でこのほど、行われた寄託式では上谷さんが寄託品の目録を西村和平市長に手渡した。西村市長は「広く関心を持ってもらう展示の中でも実物は大事。大切に活用したい」と歓迎していた。

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