最低部品保管期間はとくにない
お気に入りの愛車にずっと乗っていたい。そういう方にとって、一番気になるのは純正補修部品の製造廃止……。家電の場合は経済産業省からの指導もあり、取扱説明書やカタログ、メーカーのホームページなどで、製品の機能を維持するために必要な部品の保有期間を公表している。
全国家庭電気製品公正取引協議会によると、製造打切後の最低部品保有期間なら、冷蔵庫やエアコンは9年、テレビは8年、洗濯機が6年、トースターなら5年となっている。
一方、クルマの場合どうなのか?
NISMOヘリテージパーツは、製造廃止となっていた純正補修部品を再供給する取り組みを始めている。早速、日産自動車に訊いてみたところ「法的、あるいは業界団体の取り決めで、最低部品保管期間はとくになく、各メーカーの判断に任されている」という返事があった。
日産の場合は、純正パーツの補修部品は車両の生産終了になってから一定期間を経て、出庫がないものから順次製造廃止。またディーラーオプションの場合「車体が生産終了になってから3年が目安になっている」と教えてくれた。
また、リサイクル部品として「リユース(中古)部品」「リビルト(再生)部品」を用意し“ニッサングリーンパーツ”というブランドで販売も行っている。念のため経済産業省の自動車課にも「自動車の補修用性能部品の保有期間の規則やガイドラインはあるのか」と確認したところ『そうしたものはない』との答えだった。
このように車体の生産終了から具体的に何年間、という数字は確認することはできなかったが、各メーカーとも主要補修部品の供給期間は、およそ10年プラスアルファというのが一般的。
メーカー別にいうと日産、スズキ、トヨタ、マツダは、わりと古いクルマのパーツでも購入できるが、ホンダ、三菱、スバルは、純正パーツの製造廃止が早いといわれている。純正部品がなくなっても、優良部品(純正同等社外部品)が入手できる場合もあるし、人気車種なら純正互換のアフターパーツも出回っている。
純正パーツの保有期間はメーカーの考え方にも左右され、車種の人気や古くなっても乗っている人が多ければ、パーツが途絶える可能性も小さくなる。輸入車のベンツやポルシェ、BMWやイギリス車だと、かなり旧いクルマでもパーツが入手できる体制が整っているので、非常にうらやましいところだ。
レストアや修理しながら、一台を長く乗るクルマ文化が根付いているかどうかの違いなのだろうが、国産車でも前記の日産の第二世代GT-R用のパーツをはじめ、マツダロードスター、ホンダビート、トヨタ70・80スープラの補修部品の再生産事業が始まっている。今後、これらのヘリテージパーツがもっと広がっていくことを願いたい。
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May 16, 2020 at 04:40AM
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