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Friday, March 20, 2020

自動車部品メーカーの直営農園「キングファーム」 カフェ、いちご狩りが人気(食品新聞) - Yahoo!ニュース

自動車デバイス用の精密部品の加工などを行う大野精工(愛知県西尾市、大野龍太郎社長)は4年前から、アグリ事業部を立ち上げ、農園「キングファーム」の運営に乗り出している。これまでの技術を生かしたビニールハウスをはじめ、科学的な検証に基づいた高品質な野菜生産で注目を集めている。

昨年は食品安全、労働環境、環境保全に配慮した持続的な生産活動を実践する優良企業に与えられる「グローバルギャップ認証」を取得。ギフト商品として開発された「バウムクーヘン」4種をモンドセレクションに初出品し、すべて金賞を受賞した。農園で生産したトマトやいちごは、同市の飲食店「キングファームカフェ」をはじめ、3千平米のビニールハウスでの「いちご狩り」などで味わえる。

同社では08年のリーマンショックから、景気に左右されない多角的な事業展開を推進。当時社長だった大野孝久会長は「困った人たちを見過ごせない」と、10年に福祉事業部を立ち上げデイサービス「花畑」を開所。さらに女性たちの活躍できる職場にするため11年、社内に無料託児所を設けた。16年から直営農園を立ち上げ、小さな子供を育てる母親など女性を中心にパートで雇っている。

18年には農園で育てた野菜を味わってもらうため「キングファームカフェ」をオープン。地域住民や観光客らで人気となっている。昨年は軽度の障害者の自立支援に向けたグループホームも開所している。

農園のビニールハウスでは、最新鋭の環境制御システムを導入。減農薬で、微生物などと共生しながら植物本来の力で病害虫に強い植物を育てる「プロバイオシス農法」を採用している。また、野菜作りを数値化して研究し、朝夕の温度差でトマトの糖度が高くなるなど検証。野菜にストレスを与えることなく高糖度のミニトマトを安定的に栽培することができるようになった。

現在は、収穫したミニトマト1粒ずつの糖度を計測するなど徹底管理し、地元スーパーや道の駅などにも卸している。

大野将弥農園長は「当初は栽培が安定せずに苦労した。現在は味がしっかりとしたトマトなど十分な量が採れるようになったので、販路拡大を進めていきたい」と話している。

隣接する「キングファームカフェ」では、自慢のトマトを使ったハンバーガー、パスタ、オムライスをはじめ、イチゴを使ったスイーツなどを提供。バウムクーヘンも販売している。

人気の「いちご狩り」は60分食べ放題。章姫、紅ほっぺを栽培しており、温度湿度を徹底管理しているため5月末ごろまで楽しめる。電話やWebで予約を受け付けている。

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