新型コロナウイルスの感染拡大で中国製部品の入荷が滞り、県内でも住宅の新築やリフォームなどに影響が及んでいる。中国製部品を使うトイレやキッチンの設備が生産できないため、引き渡し予定日までに工事を完了できない業者もある。一部の設備を未設置のまま施工主に引き渡すケースも出ている。
福井市の住宅会社「エルシーホーム」が担当した市内の住宅は、工事がほぼ終わったものの、二階のトイレに便器が付いていない。便器やキッチン周り、浴室暖房乾燥機などの中国製部品が大手メーカーに入らず、二月下旬ごろから納品が遅れている。
四月に引き渡し予定の新築住宅のうち一軒は入荷の見込みが立たず、二カ所のトイレのうち一カ所は未設置のままで納めざるを得ない状況。施工主が希望していた食洗機や電磁調理器の納品のめどが立たず、代替品で対応する住宅も二軒あるという。
担当者によると、昨秋の消費税増税前の駆け込み需要や、住宅ローン控除の対象となる年末までの入居希望などで、新築住宅の建築や申し込みが増えている。「施工主には一部住宅設備の入荷が遅れていることを丁寧に説明し、理解いただけるように努めている」と苦しい胸の内を明かす。
県内で新築住宅事業を展開する企業の担当者の男性（４０）も「大手メーカーから納品が滞り入荷の見込みも立っていない。今後は引き渡しを遅らせる住宅も出てくるだろう」と嘆く。
福井市内のメーカーに注文した住宅が五月に着工予定の市内の女性（３１）は「担当者から設備が間に合わず、年内の引き渡しができない可能性があるかもしれないと言われた」と不安がる。現在住んでいるマンションの契約更新時期を気にしながら「新型コロナウイルスの影響なので仕方がないと思うが、年内に入居できれば」と願っていた。
（山口育江）
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March 30, 2020 at 03:08AM
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住宅設備の入荷遅れる 新型コロナ影響で中国製部品 - 中日新聞
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