車両の認証不正で全車種の出荷停止を決めたダイハツ工業が、減収が見込まれる部品の仕入れ先への補償に向け個別交渉を始めたことが21日、分かった。出荷停止に伴い、国内の全工場での生産も26日までに止める予定で、再開のめどは立っていない。取引先の業績への悪影響が予想され、補償に応じることで不安を和らげたい意向だ。

ダイハツの主要な仕入れ先は423社。このうち売上高に占めるダイハツへの依存度が10%以上の会社が47社ある。ダイハツの星加宏昌副社長は20日に開いた記者会見で「このうち34社は中小(企業)の仕入れ先なのでかなり大きな影響が出る。補償について1社ごとに相談して検討したい」と話していた。

すでに発注済みの部品はダイハツの工場に届き続けており、広報担当者は「きりのいいところまで車を造ってから工場を止める」と説明している。26日に軽自動車「コペン」を生産する本社工場(大阪府池田市)が最後に止まる見通しだ。

ダイハツでは認証不正を調査した第三者委員会が20日に報告書を公表。トヨタ自動車など他社ブランドを含め64車種で不正があったとした。国土交通省は21日、ダイハツに立ち入り検査した。(共同)