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Tuesday, September 5, 2023

食用コオロギ生産、電子部品製造が事業多角化 乾燥品や粉末に加工、菓子メーカーと商談進む - 岐阜新聞

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粉砕したパウダー

 電子部品製造ハイジェントグループのハイジェントテクノロジー(岐阜県大垣市)は、安八郡輪之内町南波の輪之内工場で食用コオロギの生産に乗り出した。従来の製造ラインの一部を生産施設に切り替え、10月には初めて出荷できる見通し。現在は販路開拓や加工品開発に向け、東海地域の企業への営業を進めている。

 同社は2021年に事業の多角化のため山形工場(山形県新庄市)で食用コオロギ事業に着手。すでに地元企業と協力して開発した加工品を販売している。食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」の認証を受け、大手菓子メーカーとの商談も進んでおり、輪之内工場での生産は、将来の大幅な受注増に備えて生産体制を強化する狙いもある。

 輪之内工場では飼育室を設け、加工に必要な粉砕機や乾燥機を順次導入。7月から事業を開始し、室温と湿度を一定に保った飼育室で採卵からふ化、1カ月間の飼育を経て、乾燥、粉砕といった加工までを工場内で一貫して行う。

 出荷はホール(乾燥品)や粉砕したパウダーで毎月計15キロ前後を見込む。飼育部屋の増設などで生産能力の強化も可能で、環境負荷の低減に向け、食品残さなどの給餌も研究していく。

 人口増加や気候変動で将来の食糧問題が取り沙汰される中、動物性タンパク質を効率よく摂取でき、環境負荷の低い昆虫食には世界中で注目が集まっている。担当者は「精密部品製造で培ったノウハウも生かせる。環境に配慮した新しい事業の柱として育てたい」としている。

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