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Monday, October 17, 2022

[道あり]知的障がい者サッカー日本代表監督 西真一さん<6> 地元Jクラブにチーム 2年目に初ゴール、初勝利 - 読売新聞オンライン

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 「日本とあまりにも違う」

 2017年、日本知的障がい者サッカー連盟の指導者研修でスペインを視察し、衝撃を受けた。海外には知的障害者チームのプロリーグがあるだけでなく、障害がありながら一般のプロリーグでプレーする選手もいた。

 Jリーグで戦うクラブに障害者チームがあれば、障害のある選手たちの夢や希望になるはず――。すでに04年、横浜F・マリノスが知的障害者チームを発足させていた。「鹿児島に全国2番目のチームを発足させたい」。その思いに、J3・鹿児島ユナイテッドFCの徳重剛代表(45)が「地元のJクラブとして力になりたい」と応えた。19年、「鹿児島ユナイテッドFCフューチャーズ」が誕生。名前には「選手たちの未来を明るいものに」との願いを込めた。

 発足当初から、フューチャーズは鹿児島県の社会人リーグで最も下の5部に所属し、健常者チームと対戦した。1年目のシーズンは、1ゴールも奪えず8戦全敗。対戦相手を必要以上に怖がり、プレーが消極的になった結果だった。

 だが試合を重ねるごとに、気後れは消えていった。「憧れだったユナイテッドのユニホームを着ると気合が入る」と語る最年長のDF笹原 有世なおとし 選手(32)がピッチで誰よりも声を出し、リーダーシップを発揮した。内向的な性格だったFW 原良田はらだ 龍彦選手(22)は、日本代表として18年の世界選手権でゴールを挙げた経験を生かし、攻撃的なプレーでチームをもり立てた。徐々に選手たちに自信が生まれ、2年目には初ゴール、初勝利を挙げた。「人間的な成長が、プレーにも良い影響を与えている」。選手たちの変化に手応えを感じた。

 フューチャーズ出身者が大半を占める鹿児島県選抜チームは今年、全国障害者スポーツ大会(全障)の九州地区ブロック予選決勝で強豪の長崎県代表を8―1で破り、初優勝した。10月下旬から栃木県で開かれる全障で、全国制覇を目指す。

 「フューチャーズの選手たちの活躍が、知的障害者サッカー界の未来を照らす」。そう信じている。

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