東京外国為替市場の円相場は1ドル=148円台後半で推移した。21日のニューヨーク市場で5.5兆円規模の円買い介入が実施されたとの観測が浮上。24日の東京時間にも円安の中で急激に円高に振れる場面があり、市場は引き続き日本の通貨当局による介入に警戒する状況が続いている。来週に控える米連邦公開市場委員会(FOMC)に対する思惑も手控え感につながっている。
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オーストラリア・ニュージーランド銀行外国為替・コモディティ営業部の町田広之ディレクターは円相場について「米金融政策の見通しと介入警戒感の両面から様子見になっている」と指摘。米金融政策について引き締めペースの緩和を巡り、米金利の方向に迷いが出てきているとした上で「まずは来週のFOMC声明文や会見で12月会合での0.5ポイント利上げを匂わすかどうかの見極めが必要だ」と述べた。
みずほ銀行鈴木健吾チーフマーケットストラテジストは「11月か12月のFOMCで来年の利上げペースについて示唆する可能性がある中、米金利上昇に歯止めがかかり、株の反発やドル安への期待が出てきている」と語った。
一方で、鈴木氏は「日米の金融政策の方向性の違いは引き続きあり、トレンドそのものはまだ変わっていない。150円台では手が出しづらいが、146円台や147円台ではドルを買いたい意欲は強そう」と指摘。ANZの町田氏は「本邦通貨当局の介入への警戒から149円付近で横ばいになりやすい」とみている。
日銀当座預金残高の見通しとセントラル短資の予想に基づくと、日本当局は21日遅くに大規模な 円買い介入を実施した可能性が高い。日本は9月に、1998年以来初めてとなる円買い介入を実施。複数の市場参加者によると、今月24日にも介入があった公算が大きい。
三井住友信託銀行ニューヨークマーケットビジネスユニットの土井健太郎主任調査役は、「24日の東京時間の朝にも介入があったような動きがあり、さらに神田真人財務官がいつでも対応可能な姿勢を示したことなどから、市場で当局の介入に対する警戒が増している」と述べた。
鈴木俊一財務相は24日正午すぎ、為替介入については「特にコメントはない」と述べた上で、日本銀行が金融政策を変更する必要性については「日銀の独立性を尊重しなければいけない」と記者団に語った。神田真人財務官は24日、介入実施の有無に関してはコメントしない姿勢を繰り返し示した。イエレン米財務長官は日本政府が為替市場に再び介入しているとの報道についてコメントを控え、米国政府は日本からそのような通知を受け取っていなかったと語った。
24日の米国債市場は下落した。米2年国債利回りは前週末比3ベーシスポイント(bp)上昇の4.50%付近、10年国債利回りは3bp上昇の4.24%付近。25日の時間外取引で米10年国債利回りは5bp低下の4.19%台で推移している。
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