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Friday, August 12, 2022

サッカー女子EUROで初優勝、イングランド女子代表がくれた喜びと未来 - Newsweekjapan

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BBCによれば、フットボール・アソシエーションが関与する女子チームは9251チームあり、イングランドだけでも女性のサッカー人口は340万人に及ぶそうだ。サッカー初心者のわたしには、女子は男子に比べてよくヘディングをするように見えたのだけど、どうなんだろう。女子サッカーならではの楽しみも見つけてみたい。写真 iStock enigma_images

 7月の1か月間、サッカーの欧州女子選手権2022(EURO2022)がイングランドで開催された。パンデミックの影響で昨年の予定が今年に延期されたもので、ヨーロッパの16チームが参加した。

 わがイングランドのライオネシス(Lionesses、「雌ライオンたち」の意味で、イングランド女子代表の愛称)は初戦から順調に勝ち進んだ。それにつれて女性と子どもたちを中心にファンが急増した。イングランドは徐々に興奮に巻き込まれていき、その熱気はサッカー初心者のわたしにも伝わってきた。

 大会最終日の7月31日、決勝戦に進出したライオネシスは、8度の優勝経験があるドイツを2対1で破って優勝に輝いた。イングランド女子が主要国際大会で優勝したのは初めてのことだ。

 イングランドは男子もEUROで優勝したことがなく、昨年の男子大会では決勝で延長の末、PK戦でイタリアに敗れるという悔しさを味わった。その記憶も新しいだけに、今回の女子の快挙にサッカーファンは狂喜して、イングランドは各地でにぎやかなお祝いムードに突入した。

BBCニュースのInstagram公式アカウントの投稿より、決勝戦、1対1で迎えた延長戦の後半で、クロエ・ケリー選手が決勝ゴールを決めた直後に喜びあうライオネシズ。最初の写真の右側がケリー選手。男女を問わず、試合中にシャツを脱ぐのは即イエローカードと今回初めて知ったのだけれど、彼女はさっとスポーツブラ姿になり、脱いだシャツを振りまわして喜びを全身で表現した。イングランド女子の快挙と合わせて、この場面は歴史に残ると言われている。

 優勝が決まった直後のウェンブリー・スタジアムも大騒ぎだった。選手もファンも大喜びで飛んだり跳ねたり、歌ったり涙を流したり。その後の記者会見でも翌日の祝賀会でも、ライオネシスの選手たちは無邪気にはじけまくっていた。プロの選手も多いのに、アマチュアどころか、まるで学生のパーティーのようなノリで、かえって新鮮だった。純粋に嬉しすぎて興奮していたのか、若い女性たちだからなのか、男子選手のようにマスコミ慣れしていないからなのか。とにかく初々しさがほほえましくて、ますます応援したくなってしまった。イングランド女子、本当におめでとう!

BBCなどニュースメディアに関わるアレックス・ミルソムさんのTwitter投稿より、決勝ゴールを決めたケリー選手のインタビュー。BBCのインタビューの最中、彼女は歌っているチームメイトに加わるためにマイクを持ったまま走り去った! 前代未聞のインタビューとしてこの映像は繰り返し再生された。この時に歌っていた『スイート・キャロライン』はお決まりのサッカーの勝利の歌で、これを歌うことは勝利を味わうということ。彼女としてはどうしても外せなかったのだろう。確かにプロ選手らしくはないかもしれないけれど、自分に正直な姿がほほえましかった。もちろん、歌い終わった後にマイクとともに戻ってきて、ふたたびインタビューに応じた。

 と、話はここで終わらない。若きライオネシスは、初優勝以上の大きな喜びをわたしたちにもたらしてくれたからだ。

 ひとつは、サッカーを愛する少女たちに夢と希望を与えてくれたことだ。全国の少女たちは、男子も経験していないEURO初優勝を成し遂げた女子チームの姿を自分の目でしっかりと見た。そしてライオネシスをたのもしいロールモデルとして、自分もこうなれるかもしれないと明るい希望を持った。

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