村田製作所や日本電産など、グローバルに高いシェアを持ち、安定的に成長する有望企業がひしめく電子部品業界。高速通信規格「5G」需要にやや一巡感が出る中、各社の軸足はEV(電気自動車)を含めた「自動車シフト」が鮮明となってきた。トップアナリストへの取材からは、前述の2社のほか、イビデンやTDKなどを含めた主要7社のうち、今後5年で伸びしろが期待できそうなダークホース的な存在である2社が判明。特集『円安・金利高・インフレで明暗くっきり! 株価・給料・再編 5年後の業界地図』(全25回)の#6では、両社の期待できるポイントや、主要各社の動向について徹底予測した。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
ダークホースの1社は「キーエンス流」に活路
日本電産が抱える「最大のリスク」とは?
「大化けに期待できるダークホース的な存在だ」――。電子部品業界のトップアナリストである大和証券の佐渡拓実チーフアナリストは、今後5年の電子部品業界を見据え、ある2社についてそう断言する。両社とも事業拡大へ変革を断行しており、確かにその中身を見れば説得力がある。例えばそのうちの一社は、あの超高収益企業、キーエンス出身者を営業本部長に迎え入れ、営業力強化に動いている。
のし上がるダークホースに対し、業界の盟主2社には死角とリスクが、くっきりと浮かび上がる。
業界全体に共通するのが、「5Gから自動車へ」という新潮流だ。トップランナーである村田製作所の戦略の細部を解剖すると、その構造転換が驚くほど如実に分かる。新潮流に乗り、拡大が予想される村田製作所だが、実は大きな「死角」もある。
もう一方の業界の盟主、日本電産は電気自動車(EV)向けのトラクション(駆動用)モーターで攻勢をかけるが、インパクトでいえば村田製作所以上の「最大のリスク」が指摘されているのだ。
業績の伸び方や株価の勢いなら、ダークホース2社が盟主2社を脅かす可能性も……。
次ページ以降では、主要7社の予想利益や年収のデータを比較した上で、冒頭のダークホース的な2社の具体名も示し、各社の変革の中身と序列の未来を明らかにする。円安や金利上昇に勝てるのか?優良セクターの中で、5年後にかけてさらなる成長に期待できる企業とは?
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