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Monday, May 23, 2022

取り組めば成果は必ず出る部品数削減、社員の意識改革も大 - ITpro

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無駄な部品をなくせ~もう1つの部品数削減活動(13=最終回)

全3126文字

 かつて、経営危機に陥ったいすゞ自動車は部品の種類数を100万点から30万点に激減させて、抜本的なコスト削減を実現し、見事再建を果たした。そのときの部品数削減活動の陣頭指揮を執った伝説の技術者・佐藤嘉彦氏が、経営者や管理者、技術者向けに『部品数マネジメントの教科書』を書き下ろした。

 本連載では、佐藤氏が開発した比較分析法「テアダウン(Tear Down)」を現場で実践しながら、長年交流を深めてきた盟友であるKSバリューコンサルティングの坂本幸一氏が、やはり現役時代に大なたを振るった部品数削減活動の体験談を明かす。最終回となる第13回は、部品数削減を実践するためのポイントをまとめる。(技術プロダクツユニットクロスメディア編集部)

 前回はフォークリフト操作用のコントロールバルブに組み合わせるリリーフバルブの部品数削減の事例を解説しました。いつの間にか14種類にまで膨れ上がったリリーフバルブそれぞれの特性を1つの図にまとめることで、統合化のヒントを得られました(図1)。結果的にリリーフバルブの種類は5種類まで、コントロールバルブも27種類まで絞り込めたのです。

図1 1枚のグラフ用紙に書いた、すべてのリリーフバルブの特性カーブ

図1 1枚のグラフ用紙に書いた、すべてのリリーフバルブの特性カーブ

(出所:筆者)

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 この事例は、連載の第10回、第11回で取り上げた「コンパニオンフランジ」の事例とともに、無駄な部品をあぶり出す「『出る』を促す」活動の一環です。

 しかしながら実は、2つの事例でみてきたように、共通化、統合化、系列化、標準化は、その過程で、無駄な部品を排除しながら、もう一方では、「『入り』を制す」ことにも大きな効果を発揮しているのです。

「多品一葉図面」は整理の余地あり

 とりわけ、同系列の部品群を1枚に表した多品一葉図面は、法則にのっとり並べ替えることで、余分な無駄部品を一気に排除できる上、整理された後には、その系列の中から部品を探すことにより、余分な無駄部品を生み出すことも防いでくれます。

 ただし、仕組み上の問題があると、本連載の第7回で指摘した通り、多品一葉図面の利点を損ない、重複部番(部品番号)を生み出す恐れがあります。

 おさらいになりますが、「部品検索ができない仕組み」だったり、「同じ部品に別の部番を与えてしまう採番システム」だったりすると、例えば設計グループごとに、シリーズ化した部品群を記載した多品一葉図面を描いてしまい、全体として重複部番を生み出してしまうことがあるのです。

 多品一葉図面は本来、類似部品の発見に大きな役目を果たします。こうしたメリットを損なわないためにも、本連載で指摘してきたような仕組み作りが何より重要になるのです。

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