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Sunday, May 29, 2022

自動車部品メーカー社長がパン屋に挑戦「従業員の雇用守りたい」 コロナ収束見据え…健康志向で人気【広島発】 - FNNプライムオンライン

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異業種へのチャレンジに役だったのは以前、身に着けた技術だった。プラスチックとパン。モノづくりにかける情熱でコロナ禍に立ち向かう、自動車部品メーカーの挑戦を取材した。

岡田産業・岡田直樹社長:
自動車に使うプラスチック製品の角を丸くする作業をしています

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自動車部品のプラスチック加工などを手掛ける創業2006年の岡田産業。

現在は2代目の直樹社長が経営を受け継ぎ、パート従業員を含む8人のスタッフと共に日々、製品を作っている。

岡田直樹社長:
プラスチックは鉄などとは違ってやわらかい素材なので、0コンマ何ミリ単位で削る際に手の感覚が大事で、熟練が必要な仕事だと思います。やっぱり自分の削った製品とかが実際の車について流れているのを見ると、ちょっと感動するものがありますね

ものづくりの街・福山で、私たちの暮らしに欠かせないプラスチック製品の加工を手掛ける岡田産業の2代目。43歳の直樹社長が入社したのは今から13年前。それまでは…。

前職はシェフ コロナ禍で工場が苦境に

岡田直樹社長:
尾道のホテルで副料理長をさせていただいていました

なんと社長の前職はプロの料理人。当時は、家業を継ぐ事など全く考えていなかったという。

岡田直樹社長:
副料理長から料理長に変わろうかというタイミングで、親父が体調を崩して入院しました。10年間好きな事をさせてもらったので、親父が困った時は、家の事を手伝うのが大事かなと思いました

料理人の服から作業着に。慣れない業界でこれまで奮闘してきたが…。

岡田直樹社長:
もうずっと大変ですね。ここ2年は正直、下を向く日が多かったです。半導体が世界的に不足している部分もあって、車もその一部が使われる製品なので。生産が止まってしまうと(部品の)注文自体がガタっと止まってしまうので、影響が大きいですね

コロナ禍で自動車産業が大打撃を受け、工場への受注は激減。そうした中で直樹社長が一番に考えたのは、子育て世代が多く在籍するパート従業員のことだった。

岡田直樹社長:
従業員さんがいての会社なので、このまま解雇してしまうと会社の意味も無くなってしまいます。とにかく従業員さんは家族もありますので、守りたいというのが一番でした。僕が社長として会社に入る以前から皆さん長く勤めていただいているので、そういった方をむやみに切り捨てるわけにもいかない

このままでは、この先の苦しい状況を乗り越えていけない…。会社を支えてくれる従業員の雇用を守るため直樹社長は新規事業への参入を決断した。

ダッジブレッド、ベーグルを求め行列

2022年1月、岡田産業の駐車場である工事がスタートした。約3カ月かけて4月に完成した小さな建物。とある金曜日の朝、そこには何かを待つ人の列ができていた。

客A:
前の時もうすごい並んだの。1時間ぐらい待って

客B:
先週、9時55分ぐらいに来たら、結構並んでいたので。もうちょっと早く来ようかなと思って

客C:
1回来て、入れなくて諦めて。今日も何回か通って、行けそうなので来ました

みなさんのお目当ては?

岡田直樹社長:
すみません、お待たせいたしました

3月26日、岡田産業の一角に小さなパン屋さんがオープンした。元々、料理人だった岡田社長自ら腕をふるい、店の看板メニューである「きのこ型ダッジブレッド」と多彩な種類が楽しめるベーグルを販売している。

岡田直樹社長:
会社が傾いてどう立て直すかといった時に、やはり強みを活かして。カフェやレストランだと今はコロナで同じようにダメージを受けていますので、それならテイクアウトで消費の伸びているパンを目指して動きました

「親が子に食べさせたくなる」パン完成に2年

アフターコロナを見据えた新事業をと始めたパン屋さん。実は、開業に至るまで2年もの月日がかかった。

岡田直樹社長:
試作を繰り返しながら納得してもらえるものをと。それは家族が納得するのじゃなくて、子供を育てている従業員さんが納得していただけるものを作ろうと、2年かかりました

コンセプトは、親が子供に食べさせたくなる健康志向のパン。地元福山の「バラ酵母」や国産小麦、米粉を使うほか、自社で育てる野菜も具材に使用するなど地産地消にも取り組んでいる。

客B:
生地がすごくもちもちしていて美味しいです

客D:
発酵バターって書いてあったら、ちゃんと発酵バターの味がするしすごいなと思って。とにかく並んで待つというのは覚悟の上で来た

工場を運営しながらできる範囲でということで、店の営業は週末の3日間のみ。パートスタッフの手も借りながら忙しい日々を送っている。

コロナ収束を見据え、従業員が一意団結

岡田直樹社長:
最初は僕が従業員さんを助けるというぐらいの気持ちでいたんですけれど、実際、僕が逆に助けられる方が多いので感謝している

会社を支えてくれる従業員を守るためにと、直樹社長が挑戦した新たな事業。働くスタッフ達はどう思っているのか。

従業員:
びっくりしましたけど、協力してやっていこうと。皆そんな気持ちです

――社長はどんな人ですか?

従業員:
カットしてくださいよ(笑)そうですね、すごく皆の事を思ってくれて。どうにかしなきゃというのがあるので、ついていけるというか。一生懸命やってくれているので、私たちは私たちが出来ることを頑張っている

岡田直樹社長:
今後は従来の仕事も大事にしながらこの仕事も大事にして、企業対企業と企業対個人の両方を持つことで、うまくコロナの局面を乗り越えていけたらと思います

(テレビ新広島)

テレビ新広島

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