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Saturday, April 2, 2022

年金、今春からどう変わる? まとめ読み - 日本経済新聞

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2022年4月から、公的年金と確定拠出年金(DC)など私的年金の改正法が次々に施行されています。全てが「人生100年時代」ともいわれる長寿時代の老後を強力に支える内容で、制度を理解し賢く使いこなすかどうかで将来不安や、シニア期の経済的な余裕に大きな差が出そうです。年金制度改正のポイントをまとめました。

(1) 年金改正、増額へ広がる選択肢 働き方・もらい方で差

年金上積みのカギの1つは、加入期間の生涯賃金に応じて増える厚生年金です。生涯賃金の増加を後押しする改正の一つが、週20時間以上30時間未満の短時間労働者でも厚生年金に入れる対象企業を拡大する「適用拡大」です。夫婦で厚生年金に加入して働けば年金が「老後を支える力」は強力なものになるかもしれません。

(2) 年金開始、75歳にすると…受給額8割増が生涯続く

年金の受給開始は原則65歳ですが、1カ月遅らせるごとに0.7%増えます。今年4月から選択期間がこれまでの70歳0カ月から75歳0カ月まで広がり、75歳なら年金が84%増となります。そして増額された額が終身で続きます。

(3) 年金増やし長生きに備え 「繰り下げ受給」の心得

とはいえ、年金の受給を遅らせた場合に年金の受取総額が65歳開始をいつ上回るかというのは押さえておきたい点です。繰り下げで増額なった分、税金や社会保険料の負担も膨らみがちで、額面の増額ほど手取り額は増えない可能性があります。「損益分岐期間」を計算すると、11年11カ月になります。70歳開始なら82歳、75歳なら87歳で上回ります。

(4) 年金開始、65歳より前なら… 受給額減り遺族年金も制限

厚生労働省によれば、2020年度の基礎年金受給者のうち70歳時点で繰り上げ受給をしている人は8.8%でした。減少傾向にあるものの、年金を早くもらいたいという一定のニーズはあります。しかし繰り上げ受給には注意点がいくつかあります。

(5) パートに年金増額の恩恵 厚生年金に加入しやすく

年金改正の大きな目玉が、パートやアルバイトといった「短時間労働者」への厚生年金の適用拡大です。勤務時間や日数が一般社員の4分の3未満である短時間労働者の場合、現在は勤務先の従業員数が500人超といった条件で厚生年金に加入できますが、こうした条件が主に2つ緩和されます。

(6)年金、65歳から就労で上乗せ 月収20万円で年1.3万円増

65歳以上を対象に「在職定時改定」が導入されます。65歳以降も厚生年金に入って働き続けた場合、これまでは厚生年金の上限である70歳に達したときか、退職したときにしか、65歳以降に加入した期間に見合う年金の増額はありませんが、4月からは在職中も年1回年金額が見直され、毎年それまでに払った分の金額が上乗せされます。

(7)年金受給「66歳以降に」が3割強 増額で長い老後に備え

年金の受け取り開始時期を繰り下げたり、厚生年金に加入して働いたりすることで受給額を増やしたい――。日本経済新聞社が4月から施行された公的年金などの制度改正について全国の40歳から65歳の男女にアンケートを実施したところ、こう考える人が多いことが分かりました。長い老後の資金を賄うため、制度改正を生かそうとする姿勢がじわりと強まっています。

(8)年金、企業型確定拠出で増額も 70歳未満まで加入可能

企業型確定拠出年金(企業型DC)は原則として企業が掛け金を出し、自分の運用次第で将来の年金額が変わります。現在、掛け金を拠出できる加入可能期間は原則60歳未満の厚生年金加入者で、会社が規約に定めれば60歳前と同じ会社や事業所で引き続き働く場合に限り、65歳未満まで加入できますが、2022年5月から5年延びて70歳未満に変わります。より多くの掛け金を出せるようになれば、将来の年金は増える可能性があります。

(9) iDeCo加入、65歳未満に拡大 運用資産・節税効果大きく

イデコは個人が原則自分で掛け金を出し、投資信託や預金などを選んで運用する私的年金制度です。強みは税優遇が手厚いこと。加入できる年齢は現在、60歳未満までですが、これが5月以降は65歳未満まで5年延びる。そのぶん掛け金を多く出したり、長く運用したりすることが可能になります。

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