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Sunday, April 25, 2021

国内生保は円債購入で安全性重視、オルタナで収益追求-21年度計画 - ブルームバーグ

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生命保険会社は2021年度の資産運用計画で、国内債券を積み増す動きが目立つ。新たな資本規制の導入を視野に生保が抱える金利リスクの削減を進め、収益力はリスクが高い海外のオルタナティブ(代替)資産などの投資で補う。

  日本生命保険は今年度の増加資金1兆4000億円程度のうち1兆円以上を超長期国債や通貨スワップ取引を使って円金利化した海外社債などに投じる。明治安田生命保険は新規資金や債券の満期償還金などからなる約3兆9000億円の約4割を円建て債に投じる。第一生命保険と住友生命保険も国内債の残高を増やす。

  主要生保が金利が低い国内債を積み増すのは国際的に活動する保険グループへの資本規制が2025年に導入される影響がある。金利が変動しても財務内容が悪化しないよう、長期・固定の円建て保険契約に見合う資産を増やす必要があるからだ。

国内の30年債利回り、米国の10年債利回りの推移

  明治安田生命の大崎能正執行役員は先週の記者説明会で「資本規制の導入を見据えて金利リスクの抑制を図るため、ALM(資産・負債の総合管理)の推進によって資産・負債のギャップを埋めていく」と説明。第一生命の甲斐章文運用企画部長は、超長期債などを「責任準備金対応で積み増し、生保として抱える金利リスク抑える」と述べた。

  その一方で、かんぽ生命保険も含む5社は今年度、インフラ投資や海外不動産、プライベートエクイティ(PE)などのオルタナ資産を積み増す計画だ。かんぽ生命の野村裕之運用企画部長は「オルタナは低金利環境の中で期待リターンが高い」と指摘し、総資産に占める構成比を現在の1%程度から「何年後かには2%程度まで」上げると語った。

  住友生命の藤村俊雄運用企画部長は「国内金利リスクを削減する一方、収益向上のためにリスクテークしたい」と指摘。PEなどの非伝統的資産を含む外貨建て資産を増やしても「全体的なリスク量は一定に保てる」と述べた。

クレジット物に注力

  為替差損の回避措置(ヘッジ)を講じた外債では、海外企業の信用リスクに見合ったスプレッド(上乗せ金利)を得られるクレジット物が人気を集めている。米長期金利が上昇する一方でヘッジコストは低位安定しており、ヘッジ後の米10年物国債利回りは15年末以来の高さだが、主要生保は国債の利回りにはあまり満足していない。

  日本生命の岡本慎一執行役員財務企画部長は「クレジット物にかなり力を入れているのは、世界的にも低金利環境が続いているので国債だけでは十分ではないからだ」と指摘。米国債も目先は妙味があるが、米金融政策の先行きなどを考慮すれば「低いヘッジコストが長続きするかは疑わしい」と話した。

【23日までに2021年度運用計画を明らかにした生保一覧】

単位:億円 国内債 ヘッジ外債 オープン外債 国内株 外国株

新規成長/

オルタナ

かんぽ 減少 横ばい 横ばい 横ばい 横ばい 増加
日生 増加 増加 減少 微減 増加 増加
第一 増加 金利次第 為替次第 減少 株価次第 増加
明安 増加 減少 増加 やや減少 増加 増加
住友 増加 減少 増加 増加 増加 増加
富国 ▲100 横ばい 700
大樹 ▲数百億円 ▲数百億円 数百億円 横ばい 数十億円

【2021年度の金融環境見通し一覧:()内は21年度末の水準】

国内10年

金利(%)

米国金利
(%)
日経平均
(円)
ダウ
(ドル)
ドル円
(円)
ユーロ円
(円)
かんぽ

0.00~0.25

(0.15)

1.25~2.25

(1.90)

27000~33000

(31000)

30000~36000

(34000)

105~117

(112)

125~140

(132)

日生

▲0.25~0.25

(0.00%)

0.70~2.40

(1.50)

21000~31000

(26000)

25000~34000

(29000)

97~117

(107)

112~138

(125)

第一

▲0.25~0.25

(0.10)

1.25~2.25

(1.90)

28000~36000

(33000)

30000~38000

(36000)

100~115

(107)

120~140

(130)

明安

▲0.20~0.20

(0.1)

1.60~2.15

(1.9)

2万6500~3万2000

(31000)

3万0500~3万6500

(34500)

106~115

(111)

126~136

(130)

住友

▲0.10~0.25

(0.10)

1.30~2.30

(2.00)

25500~33500

(31500)

28000~37000

(35000)

102~117

(112)

115~145

(128)

富国

▲0.20~0.30

(0.00)

1.20~2.00

(1.80)

22000~33000

(31000)

25000~37000

(34000)

100~115

(105)

115~135

(125)

大樹 ▲0.25~0.25
(0.125)
1.50~2.30
(1.90)
29000~35000
(32000)
32000~38000
(35000)
105~115
(112)
124~136
(130)

※日本生命、大樹生命は21年度末のレンジ(年度末)

(第7、8段落を追加して更新しました)

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