珍しい電源の修理依頼があった。紙エポキシ基板を使ったかなり古い電源で、基本的にはRCC方式(自励式フライバックコンバーター)の電源だが電圧の帰還がトランスで行われていた。今回は、初期のRCC電源の修理を報告する。
珍しい電源の修理依頼があった。紙エポキシ基板を使ったかなり古い電源で、基本的にはRCC方式(自励式フライバックコンバーター)の電源だが電圧の帰還がトランスで行われていた。今回は、初期のRCC電源の修理を報告する。
Webに情報がない紙エポ基板を使ったRCC電源
RCC電源は簡易な構成の電源で価格が安いので修理するよりも新品を買った方が安く入手できる。しかし装置の内部で使用されている電源は、設置するためのネジ位置が違ったり、接続用コネクターの代替品がなかったりといった理由から修理せざるを得ない場合が多い。
さて、今回、修理依頼があった電源は「MRM212」という型番の電源だ。
この電源の仕様を確認するためWebで検索したがほとんど情報は得られず、修理作業の前準備ができなかった。依頼品を受け取って部品を確認したところ、二次側の信号の帰還がトランスで行われていた。そして、基板の素材が“紙エポ”という、かなり珍しいRCC電源だった。部品面の写真を図1に示す。
図1で右側中ほどにある2ピンのコネクターにAC100Vの電源を入力し、左上の4ピンコネクターでDC5VとDC12Vの電源を出力するようだ。図1の右側がRCC電源で左側が二次側の電源の出力部だ。
しかし、普通の電源で二次側に使われている電圧帰還のシャットレギュレーターやフォトカプラが見つからない。代わりにコンパレーターICと多数のディスクリート部品があった。また、中央の上側に珍しい部品があった。これはトランスのようだ。フォトカプラでなくトランスで絶縁し二次側の信号を一次側に帰還していた。電源の型名の写真を図2に示す。
この電源はAC100V仕様で電力も20W程度だった。紙エポ基板で、ヒューズはなく、アース端子もないので安全面はほとんど配慮されていない電源だった。おそらく1990年よりも前に製作された電源と思われた。ということは電解コンデンサーも危ない可能性が高い。
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からの記事と詳細 ( ちょっと珍しいトランスで帰還したRCC電源の修理【前編】 - EDN Japan )
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