英国での女子プロサッカー選手を夢見て、努力を続ける少女が伊東市にいる。一月に男子社会人リーグ公式戦に出場、二得点を挙げた三好茜さん(17)だ。米国で二年半のサッカー留学を経験。新型コロナウイルス禍で帰国したが、現在市内を拠点にネパールの現役男子プロ選手の指導を受けながら、英国でのトライアウト合格を目指している。 (山中正義)
男子リーグでの女子選手のプレーを巡っては昨年、元女子日本代表の永里優季選手(33)が神奈川県二部リーグのチームに期限付き移籍、試合に出場して話題になった。
日本サッカー協会(JFA)によると、男子プロやアマチュアチームなどを含むチーム分類「第一種」の登録選手は一月末時点で、十二万二千七百六十二人。うち女性はわずか三十九人で、「男子の中でピッチに立って得点するまで活躍する女子選手は非常に珍しい」(同協会広報部)。
三好さんは、県サッカー協会東部支部の社会人リーグ・東駿河湾リーグ三部のSS伊豆セカンドチームに選手登録。昨年十二月から試合に出始めた。
「公式戦で二点決められたのはうれしい」と喜ぶ。ただ自分より体格の大きな男子選手にひるみ、ドリブルせずにパスを出すなど課題も多かったという。
市内の中学二年生だった二〇一七年九月、米フロリダ州にある中高一貫のアスリート養成校「IMGアカデミー」にスカウトされて単身渡米した。しかし新型コロナの感染拡大で、対外試合がなくなるなど思うようにサッカーができない日々が続くようになった。昨年三月に帰国。その後、状況が改善されないためIMGを退学した。
「誰でもプロになれるわけではないし、中卒で、なれなかった場合の保険もなくなる」。退学には葛藤もあった。そんなとき母・彩さん(44)と、コーチを務めるネパール人プロ選手のサントス・シャフカラさん(33)が背中を押してくれた。「学業は後からできる。頑張ってみたら」。プロを目指す思いは固まった。
シャフカラさんは三好さんについて「積極的でボールを持つとゴールを狙うために何かを仕掛ける選手。パワーもあるし、もっと速くなる素質もある」と評価する。一方「日本人は努力するが、自分で考える力が弱い。リスクを負わない」と指摘、自分で考えて判断するなどプロとしての考え方の指導にも力を入れる。
「アドバイスが的確だし、プロにならないと分からないようなことも教えてくれる」とシャフカラさんを信頼する三好さん。「『茜がいれば点を取ってくれて勝てる』と言われるような、たくさん得点できる選手になりたい」と意気込む。
コロナが収束し、渡英できるようになれば、トライアウトを受ける計画だ。
<三好茜(みよし・あかね)> 2004年2月生まれ、伊東市出身のフォワード選手。小学1年生からサッカーを始め、母親が代表理事を務める認定NPO法人「レアーレワールド」(同市)運営のユースクラブチーム「FCレアーレ」に所属していた。中学2年生で「IMGアカデミー」へ編入、U−17女子一軍チームで年間得点王に選ばれるなど活躍した。20年3月に帰国、現在は元ネパール代表で同国の現役男子プロ選手サントス・シャフカラさんと伊東市内外で練習している。シャフカラさんは、レアーレワールドがネパールと交流している縁などから、シーズンオフ中に三好さんのコーチを引き受けている。
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