京都サンガF.C.は監督にチョウ・キジェ氏を迎え、多くの選手を獲得して生まれ変わろうとしている。その象徴的な一人が松田天馬だろう。監督と湘南ベルマーレ時代にともに戦ったアタッカーが、京都を変える意欲を爽やかに語った。 魅力の思い切りの良さを湘南で発揮してきた。京都でも!
「走る魅力はすごい監督だといまでも感じます」
やはり、葛藤はあったと認めている。J1の湘南ベルマーレからJ2の京都サンガF.C.へ。初めての移籍がカテゴリーを下げてのものになったからだ。 「葛藤は正直ありましたし、J1でやりたい気持ちがありましたが、サッカーの本質とか楽しさを感じて、自分が成長して一皮も二皮もむけるのはこのチームだと、信じて決断しました」 湘南時代に薫陶を受けたチョウ・キジェ監督の存在が大きかったことも明かした。 「一体感とアグレッシブなスタイルを成し遂げるための、走る魅力はすごい監督だといまでも感じます」 「初日のミーティングから一気にチョウさん色に変わりましたね。チョウさんがやりたいことも増えていると思うし、指示自体も僕自身が初めて聞くこともあって」 その行動、言動に突き動かされてきた感覚が甦っている。 「僕も1年半、(監督とサッカーをする時期が)あいて、少し緩くなっている部分があったかなと思いますが、体が覚えている感覚はあるし、改めて『慣れ』は大事だと思いましたね」 慣れ、とは手を抜くという意味ではなく、継続性のこと。もう一度、このサッカーをやり続ける毎日が、いまは楽しそうだ。 「雰囲気はすごくいいんですよ! 若い選手ものびのびやってますし、京都は年齢が上の選手も多いですけど、みんな生き生きやっています。僕もすごく刺激になりますね」 昨季は湘南で33試合に出場して2得点。思い切りよくスピーディーにゴール前に飛び出していって、チャンスに絡むスタイルが印象的だった。 「それまでは、点を取る貪欲さがなかったんですけど、それがないと、この世界で残っていけないですから。自分ではシュートが武器だと思っているので、それを存分に出していかないといけないですね」 なかったはずの貪欲さが生まれたのは、周囲のアドバイスからだ。 「言われ続けたからですね。シュート力を持ってるなら打てと(笑)。打たないと自信につながっていかないですし、打って自信をつかんでという積み上げですね」 ならば、紫のユニフォームでも打って打って打ちまくってもらおう。 「いいクラブなのにJ2にいるというイメージしかないですよね。もったいない、というか、なんでかな、という感覚です。僕が変えてやるという思いは強いです」 走って、打って、決めて、松田が仲間とともに「新しいサンガ」を作っていく。
サッカーマガジン編集部
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