KDDIの高橋誠社長は3日、NTTによるNTTドコモの完全子会社化について「公正な競争が成り立たない恐れがある」と懸念を示した。そのうえで「NTT東西と他のグループ会社との一体化禁止を担保してほしい」と述べ、総務省にルールの整備を求めた。完全子会社化を巡る同省の有識者会議に出席した。
ソフトバンクの宮内謙社長も「公平性が担保されない」と懸念を示した。
KDDIやソフトバンクなど28社は11月、武田良太総務相に対し公正な競争環境の確保に向けた意見書を提出。総務省は3日、有識者会議の初会合を開いた。同省は今後、NTTへのヒアリングなどを重ね、年度内に検証結果を取りまとめる。
NTT東西は高速通信規格「5G」を支える光ファイバー設備で75%のシェアを握る。高橋氏はNTT東西との人事交流などにより「ドコモが(競合他社に比べて)設備情報へのアクセスで優位になる恐れがある」などと説明。「ドコモの上場廃止で取引が見えなくなり、外部監視も効かなくなる」とも述べた。
宮内氏は5G時代でNTTが持つ光設備の重要性が一層高まるとした上で「こうしたボトルネック設備の低廉公平な利用が実現しないと、日本のデジタル化は望めない」と強調。携帯市場ではドコモ以外のシェアが上昇したものの「固定は全くシェアが変わっていない」と述べ、NTTグループの市場支配力が高まる恐れがあるとした。
一方、NTTは米IT(情報技術)大手のGAFAが通信インフラに進出しているなどの事例を挙げ、日本も「研究開発力やサービス創出力の強化が必要」と説明。NTT東西には既に独占を防ぐ規制が課されており「公正な競争の確保に支障は生じない」との見方を示した。ドコモとNTTコミュニケーションズなどの統合構想についても、「東西との関係は変わらず、新たな規制を設けるべきではない」とした。
NTTは11月17日、ドコモへのTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表。ドコモは12月25日付で東京証券取引所への上場が廃止になる。
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