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Thursday, December 3, 2020

ドコモ新料金「ahamo」がサブブランドにしか見えない5つの理由 - ITmedia

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 NTTドコモが12月3日に発表した新料金プラン「ahamo」(アハモ)。月額2980円(税別、以下同)で容量20GBのデータ通信と回数制限なしの5分以内の国内通話が利用できるなど、やっと値下げを実感できる内容となった。

 しかし発表直後から、ahamoに対しては「本当はドコモのサブブランドだったのではないか」という臆測がTwitter上で上がり、発表会の質疑応答でも記者から質問があった。

 あくまでも「新料金」として発表されたahamoがなぜサブブランドに見えるのか、その理由を挙げていく。

NTTドコモの新料金プラン「ahamo」(アハモ)

理由1:ドメインがドコモ公式サイトと別

 ahamoはドコモの新料金プランとして発表されたが、わざわざ「https://www.ahamobile.jp/」というドコモとは別のドメインで、専用サイトが公開された。

ahamo公式サイト

 今までのドコモの新料金プランは、特設ページなどが用意されたことがあっても、わざわざ別ドメインを取得するようなことはなかった。

 また、これまでの新料金プランは特設ページと共にNTTドコモ内の料金プランのページに追加されていたのに対し、ahamoについてはドコモのサイト内にニュースリリースこそ掲載があれど、料金プランページへの追加などは行われていない。

理由2:スマートフォン上のネットワークオペレーター表示

スマートフォン左上のネットワークオペレーター表示が「ahamo」になっている

 発表会のスライドに表示されたスマートフォンのイメージ画像にもヒントがある。

 画面左上のアンテナ強度の横に「今つながっている携帯電話会社名(ネットワークオペレーター名)」が表示されているのだが、これが「ahamo」になっている。

 例えばiPhoneであれば、ドコモのSIMを差していれば普通は画面左上に「docomo」と表示されるはずだ。Androidスマートフォンでも、機種によってはiPhoneと同じく「docomo」や「NTT DOCOMO」と表示される。

 またKDDIのサブブランドの「UQ mobile」やソフトバンクのサブブランドである「Y!mobile」も、サブブランドのSIMカードを取り付けた場合はそれぞれのサブブランド名が表示される。

 これはギリギリまで「ahamo」をサブブランドとして展開する予定だったことを示唆しているのではないだろうか。

理由3:当初、ドコモユーザーでもahamoへの変更は「MNP転出手続き」が必要

 ドコモユーザーが他の料金プランに変更する場合、普通はドコモユーザー向けページ「My docomo」からのWeb手続きや、ドコモショップでの店頭手続きで簡単に変更できるはずだ。

 しかし、ドコモユーザーであってもahamoへの変更は、KDDIやソフトバンクからahamoに変更する場合と同じく

  • MNP予約番号
  • 本人確認書類
  • 毎月の支払方法に設定する銀行口座情報やクレジットカード

 の3点を用意した上で、ahamoの専用サイトから申込手続きを行う必要がある。

 2021年5月以降はドコモからahamoへの変更でも、料金プラン変更のように簡単に変更手続きが行えるようになるともアナウンスされているが、3月のスタート時点でMNP転出手続きが必要なのは「別ブランド」や「別会社」として準備されていた名残といえそうだ。

理由4:ドコモの契約とまとめられない

 例えば家族全員でドコモを利用していて、毎月の引き落としをまとめているとする。

 その中から1人、ahamoに変更した場合、その人の分は引き落とし口座やクレジットカードが別になってしまうのだ。

 他にも家族間通話が無料になる「ファミリー割引」など、同じドコモユーザーとしてまとめられる枠の中に、ahamoを契約している電話番号は入れられない。同じドコモのサービスであれば普通はまとめられるはずだ。

 これはKDDIとUQ mobileやソフトバンクとY!mobileなど、他のMNOとサブブランドでも同じで、会社は同じでもメインブランドとサブブランドでは請求を一つにまとめるといったことには対応していない。

理由5:端末はahamo専用サイトからの購入に

 ahamoを契約した場合、各種手続きはオンラインのみでの受付となる。新規契約に伴う端末購入や機種変更も同様で、ahamoのオンラインショップからの購入になる。ドコモの井伊基之社長も発表会で「ahamoのコンセプトに合った端末の提供を検討中」と話したように、ahamo回線で購入できる端末は従来のドコモ回線とは別になる。

 従来のドコモ向けの端末がahamoオンラインショップのラインアップに入る可能性もあるが、従来のプラン向けに発表された端末をahamoの回線で必ずしも購入できるとは限らないことには注意したい。

 この端末販売経路や各種手続きの分離も、やはりサブブランドとして用意していた名残にみえる。

「羊頭狗肉」を受けての変更?

 他社が1980円から3980円程度の価格で、メインブランドよりも安価なサービスをサブブランドとして提供しているため、ahamoを「新料金」として打ち出されても、これだけ名残があれば「もともとはサブブランドだったのだろう」と疑わざるを得ない。

 発表会の質疑応答で記者から上がった「ahamoは当初サブブランドとして検討したのか」という質問に対し、井伊社長は「ブランドはユーザーが価値を決めるものであり、メインやサブ、20代のブランドを決めるのはおこがましい」と歯切れの悪い回答となっていた。

 仮にahamoがサブブランドで検討されていたものだとして、いつ新料金としての打ち出しに変わったのかは分からない。しかし11月27日に開かれた武田良太総務大臣の記者会見では、キャリアの料金プラン値下げについて「羊頭狗肉」と不快感を表した批判もあった。これはメインブランドの料金の値下げは行わず、選択肢をサブブランドに追加したKDDIとソフトバンクに対するものだった。これを受けて、ahamoを急きょサブブランドから料金プランに変えた可能性は考えられなくはない。

 今回の発表会では、既存料金プランの見直しについても「12月中に発表する」(井伊社長)と発言。選択肢だけ増やし、安くしたければユーザーに任せる姿勢ではなく、既存ユーザーもそのまま値下げを実感できるような取り組みを今後発表する姿勢を明らかにしている。

 いずれにしてもahamoの発表は、他の大手キャリア、サブブランド、MVNOと、国内の携帯電話市場において大きな値下げ圧力になったことだけは確かだ。

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