2020年11月03日16時14分
新型コロナウイルスの感染拡大による打撃が大きい自動車業界で、特に地方に拠点を置く自動車部品メーカーは深刻な傷を負った。電動化対応など「100年に1度の転換期」にコロナ禍が追い打ちを掛けた格好で、回復への道筋はいまだ見えない。一方、自動車産業が雇用や税収を支えてきた地域では、部品メーカーの苦境が地元経済の危機に直結しかねない。
▽廃業「あすはわが身」
「踏んだり蹴ったりだ」。SUBARU(スバル)が拠点を置く群馬県太田市にある部品メーカー社長は、今年度上半期をこう振り返る。自動車大手の生産縮小に伴い、8月まで毎月の売上高が前年から半減。政府による助成金や金融機関からの借り入れに加え、自らの給料返上など打てる手は尽くしたが、「(固定費の流出など)出血は止まらなかった」という。
自動車大手8社の9月の国内生産台数は、前年同月比0.3%増と12カ月ぶりにプラスに転じた。完成車メーカーでは生産が回復し始めている。それでも、この部品メーカーの9月の売上高は4割減と「回復への実感は全くない」。周囲では廃業や人員整理をする企業も目立ち、「あすはわが身だ」と身構える。
▽「下請け守らない」
部品メーカーの回復が遅れている一因として指摘されるのが、大手メーカーによる「下請けいじめ」だ。
群馬県富岡市の部品メーカーの幹部は「特にリーマン・ショック後から大企業は系列の下請けを守らなくなった」と感じる。取引価格の値下げ要求は日常茶飯事。納入のため大型の投資をさせられ、「事業がうまくいかないと全てこちらのリスク」と負担を押し付けられることも珍しくない。
「日産自動車が来年度の計画を出さず、先行きが見えない」と、取引が長い神奈川県の部品メーカー社長。日産側から苦境脱却に向けた提案もなく、「長年の貢献度などは勘案せずに目先の数字しか見ない」と指摘する。業績不振の大手自動車では、部品メーカーを守る経営体力も落ちているのが現状だ。
▽岐路に立つ「城下町」
三菱自動車が来年の工場閉鎖を決定した子会社「パジェロ製造」のある岐阜県坂祝町。町内には取引先の部品メーカーが集まり、同社の納める固定資産税などが町の税収全体の16%も占める。工場閉鎖により歳入減や人口流出は必至で、同町の幹部は「町の大きな一企業が閉鎖するというだけではない」と影響を危惧する。
県内製品出荷額のうち約15%が自動車など輸送機器関連の栃木県。5~6月に自動車工場が操業停止すると、周辺企業の売上高は大きく落ち込んだ。「(今後も)自動車向けだけの部品メーカーはしんどい」(県幹部)との声が上がる。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの石倉拓史氏は、「車づくりでもデジタルトランスフォーメーション(DX)化が進む。IT人材が集まりやすい街づくりをした地域が、新しい『自動車産業の街』となる」と指摘した。自動車を中心に発展してきた「企業城下町」は生き残りを懸け、電動化とコロナ対応を同時に迫られている。
"部品" - Google ニュース
November 03, 2020 at 02:14PM
https://ift.tt/38jy9Wn
深手を負った自動車部品 大転換期にコロナ―「企業城下町」にも危機 - 時事通信
"部品" - Google ニュース
https://ift.tt/31ISpv5
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
No comments:
Post a Comment